文殊菩薩とは
釈迦如来の脇侍になることが多い文殊菩薩だが、文殊菩薩が中尊になると獅子に乗った文殊菩薩が4人の従者を従えて海を渡る「文殊渡海」(文殊五尊)であらわされることも多い。
その場合、以下のご五尊となる。
獅子に乗った文殊菩薩
優填王(うてんおう)
仏陀波利三蔵(ぶっだばりさんぞう)又は、須菩提(すぼだい)
善財童子(ぜんざいどうじ)
最勝老人(さいしょうろうじん)又は、維摩居士(ゆいまこじ)
文殊渡海の代表的な作品は、安倍文殊院の国宝『騎獅文殊菩薩・脇侍像』など。
国宝『文殊渡海図』
雲海を渡る様子が描かれているが、舞台は世界遺産にも登録された文殊信仰の聖地「五台山」で、顕教・密教とも各民族の仏教の聖地となっている。 文殊伝説では、五台山から雲海を渡って説法に来るところ、五台山に向かっているところなど諸説がある。
この像での文殊菩薩は童子形で表され、髪には5つの髻を結っている。 密教ではこの髷の数によって修法の利益が異なり、五髻の文殊菩薩像は敬愛の修法の本尊とされた。
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醍醐寺文化財アーカイブス →「醍醐寺の国宝・重要文化財」→「鎌倉時代」
この国宝を観るには
醍醐寺の宝物館に出展される場合がある。 まれに、寺外での展覧会などに出展される場合がある。
公開履歴
2024/6/15~7/21 大阪中之島美術館「醍醐寺 国宝展」
2020/10/15~12/10 醍醐寺 霊宝館「特別公開」
2019/10/15~12/10 醍醐寺 霊宝館「醍醐寺の至宝」
2019/1/29~2/24 九州国立博物館「京都・醍醐寺展」
2018/10/17~11/11 サントリー美術館「京都・醍醐寺展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】 201-127
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00120-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色文殊渡海図
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくもんじゅとかいず
【員数】1幅
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】醍醐寺
【国宝指定日】1955.06.23
鑑賞ログ
2018年11月
サントリー美術館「醍醐寺展」
文殊菩薩が童子形でちょっと寄り目の品のいい文殊菩薩さま。 阿部文殊院のフォーメーションとは違うけど、こちらの方がしっくりきているような。