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国宝-彫刻|梵天座像・帝釈天半跏像[東寺/京都]

国宝DB-彫刻

梵天・帝釈天のこと

梵天と帝釈天は、古代インドの神が仏教にとりいれられた守護神で、一対で脇侍や仏像群の守護として配置された。 帝釈天は、映画「男はつらいよ」で有名な「柴又帝釈天」のように、単尊でまつられる場合もある。 梵天が単尊で信仰される例は日本に限らず少ない。

日本では、密教が入る前は中国の文官風の服装をした作例が多い。(東大寺法華堂や唐招提寺金堂など) 密教形式の場合はインド色が強く、梵天は多面多臂でガチョウに乗り、帝釈天は象に乗ったり武器を持つ姿で表されることが多い。

国宝『梵天坐像・帝釈天半跏像』

東寺講堂の「立体曼陀羅」で、21体ある像の中で最も外側の左右に、向かって右に「梵天」を、左に「帝釈天」を配置する。 それぞれの前後に、四天王が配置される。

梵天は四面四臂で、正面顔の左右に1つずつ顔を持ち、正面顔の高く結った髷の上に小型の顔が1つ乗っている。 如来のように片肩を出して布を巻き付けた姿で、数は多くないが腕輪や髪飾りなどの装飾を付けている。 4羽のガチョウが支える蓮華座の上に、「半跏趺坐」という足を絡ませない「あぐら」の状態で座っている。

帝釈天は、一面一臂で人間と同じような姿だが、額にもう1つ目がある「三目」になっている。 元は戦いの神なので武人の姿をしており、手には金剛杵という武器(のちに仏教の儀式で使う法具に取り入れられる)を持っている。 象の背中に、片足は上げてもう片足は下ろす「半跏踏下坐」で乗っている。 像が作られたのは平安初期だが、顔は鎌倉時代に後補されたもので、他の同時代の像とは雰囲気が異なっている。

東寺講堂「帝釈天」
東寺講堂「帝釈天」
東寺講堂「帝釈天」

東寺講堂「立体曼荼羅」の国宝

何度か火災にあっている講堂は、中央の五大如来は全て後世の補作、他は国宝に指定されている。

五大菩薩坐像(講堂立体曼陀羅)
五大明王像(講堂立体曼陀羅)
梵天坐像・帝釈天半跏像(講堂立体曼陀羅)
四天王立像(講堂立体曼陀羅)

国宝に指定された梵天・帝釈天像

梵天・帝釈天 立像[東大寺法華堂/奈良]
梵天・帝釈天 立像[唐招提寺金堂/奈良]

この国宝を観るには

東寺の講堂に安置されているので、拝観時間内ならいつでも観ることができる。

寺外での公開

2021/7/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝」梵天像
20193/26~6/2 東京国立博物館「国宝 東寺―空海と仏像曼荼羅展」帝釈天像

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-247
【指定番号】00084-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造〈梵天 坐像/帝釈天半跏像〉(講堂安置)
【ふりがな】もくぞうぼんてんざぞうたいしゃくてんはんかぞう
【員数】2躯
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所在地】教王護国寺(東寺)
【国宝指定日】1954.03.20

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年4月

東京国立博物館の「東寺展」です。 まさか、帝釈天様の写真を撮れる日がやってくるとは。 SNSでの宣伝効果で、写真撮影OKな美術館博物館が増えてきましたが、東博の特別展ではいつも1~2か所の撮影コーナーを用意してくださいます。 写真パネルや復元だとそれほどですが、まさかの国宝仏が撮影OKということでテンションあがります。

仏像は、お堂で観るのが好きなんですが、博物館だとお堂では観られない角度で拝見できるのがうれしいです。 どの角度から見てもイケメンな帝釈天様です。

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