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国宝-古文書|平城宮跡出土木簡[奈良文化財研究所]

国宝DB-古文書

木簡(もっかん)とは

古代中国で、木や竹を薄く削いで短冊状にしたものに、文字を書いて使用した。 日本にも飛鳥時代には伝わり、徐々に紙の使用に移っていくが、平安時代頃までは並行して使われた。 正倉院の遺品の中には、発掘ではない伝世品が存在する。

日本では、湿潤な土地から発掘されたものが多く、その内容は役所の文書類から習い書きまで、様々な目的で使用されていた。 荷札としては、かなり後世まで使われていたようである。 文字の書かれた表面を削って再利用されたようで、削られた木屑も多数出土している。

国宝『平城宮跡出土木簡』

奈良市街地にある平城京跡の複数個所から発見された木簡で、2003年~2015年に重要文化財に指定されていた2,875点に、309点が新たに追加されて、一括で国宝に指定された。 公式の記録には書いていない、当時の人々の暮らしや風俗のわかる資料として貴重である。 出土品だが「古文書」として国宝に指定されている。

国宝『平城宮跡出土木簡』平城宮跡資料館
国宝『平城宮跡出土木簡』複製[国立歴史民俗博物館]
国宝『平城宮跡出土木簡』複製[国立歴史民俗博物館]

国宝の内容

平城宮跡大膳職推定地出土木簡 39点(2003年重要文化財指定)
平城宮跡内裏北外郭官衙出土木簡 1,785点(2007年重要文化財指定)
平城宮跡内膳司推定地出土木簡 483点(2010年重要文化財指定)
平城宮跡造酒司出土木簡 568点(2015年重要文化財指定)
平城宮跡西南隅の二条大路北側溝出土木簡 7点
平城宮跡内の下ツ道西側溝出土木簡 9点
平城宮跡西南官衙の土坑出土木簡 16点
平城宮跡内裏東辺の暗渠出土木簡 2点
平城宮跡内裏東大溝出土木簡 275点

平城京跡地(雨天に撮影)

この国宝を観るには

平城京の跡地にある「平城宮跡資料館」で、毎年秋に木簡の実物を公開する展覧会が企画されており、写真撮影も可能。 同館の常設展示では、発掘された木簡に関する展示もある。

平城宮跡資料館以外での公開

2024/4/27~5/8 島根県立古代出雲歴史博物館「誕生、隠岐国」
2024/3/15~5/6 くまもと文学・歴史館長「文字が語る古代のくまもと」
2022/4/15~5/15 島根県立古代出雲歴史博物館「出雲と都を結ぶ道」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-11762
【指定番号】61
【種別】古文書
【指定名称】平城宮跡出土木簡
【ふりがな】へいじょうきゅうせきしゅつどもっかん
【員数】3184点
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所在地】奈良文化財研究所
【国宝指定日】2017.09.15
【説明】平城宮跡から出土した木簡のまとまりで、①文書、②荷札・付札、③習書・落書、④木簡表面を削った削屑に大別される。六国史などの編纂された史書からは知りえない、奈良時代の社会、経済に関する日常的な事柄を伝える同時代史料として貴重。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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