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国宝-彫刻|十一面観音立像[法華寺/奈良]

国宝DB-彫刻

法華寺のこと

光明皇后が、父の藤原不比等邸跡に建立した尼寺で、聖武天皇によって諸国に「国分寺」と「国分尼寺」が建立されると、法華寺は「総国分尼寺」とされる。 平安末期には衰退するが、重源上人や叡尊上人によって復興され、その後も豊臣秀頼と母の淀殿から伽藍を寄進される。 江戸期には皇室や公家から入寺する門跡寺院となり、先代の門主(住職)までは公家出身者が就いていた。

国宝『十一面観音立像』

法華寺本堂の本尊で、腰をやや左にひねり右足を外に向けて立つ、像高1mほどの十一面観音像。 光明皇后を模して作られたと伝わるが、実際には平安前期頃に作られたと推察される。 カヤの一木造りで、唇や目などの一部分以外は彩色をしない素木仕上げとなっており、檀像として作られたと思われる。

左手には十一面観音の典型的な持ち物である水瓶を、やや中央寄りの胸下あたりにかかげ、右手は非常に長く裳裾をつまむ。 衣は「翻波式衣文(ほんぱしきえもん)」という高低が入り混じるひだで表現される。 光背は非常に独特で、蓮花の蕾と開きかけの蓮葉が、像全体の後ろから茎が伸びるように開いて、舟形光背のような形を作っている。

この国宝を観るには

秘仏のため、通常は厨子の扉が閉じられ、隣に安置されたお身代わり像を拝観することができる。 春(3月下旬~4月上旬)と、秋(正倉院展期間と同じ)の特別公開時と、光明皇后の法要が営まれる6月7日前後の数日間だけご開帳される。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-175
【指定番号】00014-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造十一面観音立像(本堂安置)
【ふりがな】もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所在地】法華寺
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜

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