国宝『梵鐘』
かつて比叡山の西塔エリアにあった宝幢院の鐘で、鐘の内部には「比睿山延暦寺西寳 幢院鳴鐘天安二年 八月九日至心鋳甄」の銘文が左右反転して鋳刻されている。 天安2年は西暦858年で、製作年の刻印された鐘の中では6番目に古い。 口径に対して背が高く、銅鐸のようにすっきりとした姿をしている。
この国宝を観るには
所蔵する佐川美術館で数年に1度は公開される。
公開履歴
2024/10/5~12/1 比叡山 国宝殿「比叡山と平安京」
2018/11/20~2019/3/31 佐川美術館
2014/9/27~2015/1/18 佐川美術館
2011/1/2~1/23 佐川美術館
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-421
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00127-00
【種別】工芸品
【指定名称】梵鐘
【ふりがな】ぼんしょう
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】858年
【寸法・重量】総高115.7cm、竜頭高19.7cm、笠形高4.5cm、肩以下高97.0cm、口径55.3cm、撞座径9.7cm、撞座中心高23.9cm、口厚4.7cm
【品質・形状】口径に比べて丈が著しく高く、肩以下はほとんど直線をなし、極めて狭長な形態である。竜頭は簡潔なつくりで、笠形は圏線はないが中央を薄く盛り、周りを強く刳る。上下帯は無文、乳は興福寺神亀四年鐘と同形のものを四段五列に配し、撞座は簡素な八弁で、竜頭との関係は古式であるが、中心の高さは低い。
【ト書】延暦寺西宝幢院鍾、天安二年八月九日鋳在銘
【画賛・銘等】「比□山延暦寺西寶/幢院鳴鍾天安二年/八月九日至心鋳」
【所在地】佐川美術館
【重文指定日】1906.04.14
【国宝指定日】1953.11.14
【解説】長身簡素な形姿と内面の優雅な左文字銘文とから著名な鐘である。西寶幢院とあるのは、叡山西塔中の寶幢院で、文徳天皇の御願により慧亮和尚が嘉祥年中より天安年中にかけて西塔中に建立したものという。