勧学院客殿[園城寺(三井寺)/滋賀]

勧学院客殿[園城寺(三井寺)/滋賀]

勧学院とは

勧学院は、「学を勧める場所」=学問所で、平安時代に藤原氏の子弟を教育するために作られ、やがて大学寮の施設となる。 大寺院にも僧侶の学問所として作られるようになった。

国宝『勧学院 客殿』

三井寺は、豊臣秀吉によって一度破却され、その後一族によって復興されるが、勧学院は豊臣秀頼の銘を受けた毛利輝元によって再建される。

国宝『勧学院 客殿』園城寺(三井寺)

慶長5年(1600年)に完成した客殿は、狩野永徳の長男「狩野光信」の作を中心(一部は永徳による)とした障壁画で飾られた。 重要文化財に指定されている障壁画は、三井寺の文化財収蔵庫に展示され、現地には複製が置かれている。

国宝『勧学院 客殿』園城寺(三井寺)

南側の書院は、床の間のように一段上がった「大床」の付いた「一之間」と、それに続く2間分を使用した「二之間」、その東側には細長い「鞘の間」が付く。 書院や方丈は、長方形を6つに区切るものが多いが、勧学院は大型に作られており、9部屋分(二之間は2部屋分使用)の正方形に近い形に作られている。 これは室町時代の武家建築の名残で「主殿造」と呼ばれる。

勧学院客殿パンフレットより

この国宝を観るには

通常は、3名以上での事前予約で拝観可能。 その他、時期によって特別公開される場合もある。

三井寺 国宝『勧学院客殿』秋の特別公開2019

2019/10/1~10/20 秋の特別公開

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-1331
【指定番号】00079
【種別】近世以前/住宅
【指定名称】勧学院客殿
【ふりがな】かんがくいんきゃくでん
【員数】1棟
【時代・年】慶長5年(1600年)
【構造・形式】桁行七間、梁間七間、一重、入母屋造、妻入、正面軒唐破風付
中門 桁行一間、梁間一間、一重、切妻造、総こけら葺
【所在地】滋賀県大津市園城寺町
【国宝指定日】 1952.11.22

出典:国指定文化財等データベース一部抜

鑑賞ログ 2019年10月

秋の特別公開で拝観しました。 本堂の秘仏ご開帳の方がよく宣伝されていて人も多いですが、こちらはひっそりと公開されていました。 人が少なくて、係の方に質問すると色々と教えて頂けたりと、観る側にとってはありがたい環境でした。

収蔵庫を見学した後で伺ったのですが、収蔵庫で観た重要文化財の障壁画は勧学院にあったもの。 高精細の複製が設置され、一之間・二之間は部屋の中に入れて頂けるので、畳の上に座って障壁画や庭を眺められます。 係の方の説明によると、障壁画は襖を開けて庭の景色も計算して描かれているとのこと。 たしかに上段の滝図から庭の緑が続くように見えます。 本物の方が質感は雰囲気がありますが、元にあった場所に複製でもあって、本来の場所で観られるのは素晴らしいですね。

学問所ということで、全体的に堅実な造りですが、鞘の間の両側板戸には左に永徳の獅子、右に光信の猫図があるなど、見ものは障壁画でしょうか。 庭の西側(一之間の奥あたり)は、室町時代の庭が残る部分で、上から見ると三角形を笠を持つ石灯籠などがあります。

ついでにグルメ

勧学院の手前の十字路を少し下ると「ながら茶房 本寿院」があります。 江戸時代に建立された僧坊だったそうで、外から見ると拝観謝絶の塔頭か子院のような雰囲気ですが、中はリニューアルされて畳にテーブルの和風モダンなカフェです。

三井寺 「ながら茶房 本寿院」

スイーツが数種類に飲物セットが中心で、煎茶は地元産の緑茶に信楽焼の茶器で、鉄瓶を持ってきていただけるので、好みの濃さで何煎も楽しむことができます。

三井寺 「ながら茶房 本寿院」

スイーツセットは千円前後と、この雰囲気でこの値段ならじゅうぶんお得だと思います。

三井寺 「ながら茶房 本寿院」

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