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国宝-建築|大報恩寺本堂(千本釈迦堂)本堂[京都]

国宝DB-建築

大報恩寺(千本釈迦堂)のこと

北野天満宮のやや北東にある「大報恩寺」は「千本釈迦堂」でよく知られ、近くには「千本ゑんま堂」(正式名称:引接寺)もある。 それぞれ名前の通り釈迦如来と閻魔大王がご本尊。 室町時代には、近くに足利義満の建立した「北野経王堂」があり、そちらの資材を使ってこの本堂が修理されたり、経王堂ゆかりの仏像が大報恩寺にある。

境内には「おかめ塚」があり、縁結びや夫婦円満の御利益があるといわれる。 これは、本堂を建てていた大工が間違って柱を短く切ってしまうが、妻「阿亀(おかめ)」の知恵で窮地を切り抜ける。 その後、女の知恵で助かったと世間に知れると夫の立場が悪くなると阿亀は自害してしまい、その冥福と寺の守護を願い阿亀に似せた面が飾られた。 

報恩寺本堂(千本釈迦堂)おかめ塚

国宝『本堂』

大報恩寺は、奥州藤原氏3代藤原秀衡の孫「義空上人」によって、承久2年(1220年)に仮堂が建てられ、7年後の安貞元年(1227年)に本堂が完成している。 京都市中は、度々の戦や火事であまり古い建造物が残っておらず、この本堂が京都市内最古の木造建造物である。

指定されているのは本堂としてだが、附として秘仏の本尊が安置されている「厨子(天蓋)」、屋根を支える棟木や、棟木や梁に取り付ける棟札も国宝に含まれる。 また本堂奥の壁には表裏とも壁画が残されているが、保存状態が良くなく絵の全貌を知ることは難しい。 この壁画も国宝に含まれる。

国宝-建築|大報恩寺本堂(千本釈迦堂)本堂[京都]
国宝-建築|大報恩寺本堂(千本釈迦堂)本堂[京都]
国宝-建築|大報恩寺本堂(千本釈迦堂)本堂[京都]

この国宝を観るには

2024年3月15日に、肥後定慶作の「六観音像」が国宝に指定されることが発表されました。

9:00~17:00の開門時間内ならいつでも拝観できる。

この本堂の本尊は行慶作の釈迦如来像だが、秘仏のため通常は拝観できず、3/22と8/8~16だけご開帳される。 他にも快慶一門(快慶の自作もあり)作の「釈迦十大弟子像」や、肥後定慶作の「六観音像」もあり、それらは霊宝殿に安置されている。

大報恩寺本堂(千本釈迦堂)霊宝殿

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-1612
【指定番号】00194
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】大報恩寺本堂(千本釈迦堂)
【ふりがな】だいほうおんじほんどう(せんぼんしゃかどう)
【員数】1棟
【時代・年】安貞元年(1227年)
【構造・形式】桁行五間、梁間六間、一重、入母屋造、向拝一間、檜皮葺
【所在地】京都市上京区五辻通六軒町西入溝前町
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2010年頃?夏

ちょうどお盆時期に訪問したので「六道参り」の時期でした。 秘仏として通常は拝見できないご本尊のお厨子が開かれていて、本堂前のお賽銭箱あたりまでご本尊と結ばれた5色の紐が垂れていて、これを持つと御利益がある?というもの。 とてもありがたい気持ちになりました。 境内にはぼんぼりが飾られていて夕方の雰囲気は何とも言えないゆったりした風情あるものでした。 ただ、その時は台風が近づいていて人がほとんどいなかったから。 もしかしたら人出がすごいのかもしれません。
境内には「おかめさん」の像があります。 大工の奥さんで内助の功をたてて自害してしまったという、見た目に反してちょっとせつないお話でした。 でもおかめさんのフクフクした笑顔を見ているとこちらもほっこりします。 授与品はおかめさんに因んだものも多数あります。
歩いて5分ほどのところにある「千本ゑんま堂」でもお盆の行事が行われていて、そちらはとても賑やかでした。 普段はお顔しか見ることのできないゑんま様の前身を拝見することが出来ます。 お盆シーズンを狙って歩いてめぐるのがオススメです。

ついでにグルメ

北野や西陣が近いので、ついでにグルメには困らない好立地です。 おすすめしたいお店はたくさんありますが、テイクアウトで楽しめるお手頃価格の「大正製パン所」は、大正8年創業ですでに100年を超えた老舗です。

トレイとトングで選ぶタイプの町のパン屋さんで、あんパン・クリームパン・メロンパンなど甘い系、種類豊富なお惣菜コッペサンドや「名物」と書かれて具のバリエーションがあるカレーパンと、全種類1個ずつ買いたくなるラインナップです。 この日、選んだのはヒレカツが真ん中に入った「ヒレカツカレーパン」とベーシックなクリームパンでした。

この日は、千本釈迦堂の開く9時前に着いてしまったので、奥のイートインスペースを使わせていただきます。 飲み物は、店内の冷蔵庫に紙パックの乳飲料や缶コーヒーがあるので、パンと一緒に選んで購入します。 イートインはあまり使われていなさそう?休憩スペース的な雰囲気ですが、それもこのパンには似合って、古き良き昭和を味わえるパン屋さんです。

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