醍醐寺三宝院のこと
三宝院は、醍醐寺の第14世座主である「勝覚」僧正によって創建された醍醐寺の塔頭で、室町時代に准三后の位を授かった第73世座主の満済准后によって、醍醐寺の本坊とされる。 応仁の乱で一時荒廃するが、80世座主の義演准后が豊臣秀吉の援助を受けて復興する。 真言宗醍醐寺派の本山「醍醐寺」の塔頭だが、門跡寺院として格が高く、修験道の当山派の本山でもある。
国宝『三宝院 唐門』
三宝院の書院は、豊臣秀吉が醍醐の花見のために移築したものだが、唐門は醍醐の花見の翌年に建造されたもの。 門跡寺院であった三宝院に、朝廷の使者を迎える際に使用された。
3間(柱の間が3つ)で、中央は両開きの扉になっており、各扉が両サイド1間と同じ程度の幅をしている。 中央の扉には「五七の桐」紋が、両サイドには「菊」紋が大きく彫られ金箔が施されている。 それ以外の部分は総黒漆塗りで、屋根は檜皮葺の格調高いもの。 2010年の修理時に漆と金箔が施されたが、それ以前は漆や金箔は剥げた状態であった。
醍醐寺三宝院の国宝
殿堂 表書院
この国宝を観るには
唐門は醍醐寺の参道に面しているため、三宝院に入らなくても外側から観られる。 三宝院を拝観した場合は、秀吉が設計したと伝わる庭越しに観ることができる。
三宝院のみの入場はできず、三宝院・霊宝館・伽藍のセット券を購入する。 料金は、春秋(¥1,500)とそれ以外(¥800)に分かれており、霊宝館の内容が異なる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-1914
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00164
【種別】近世以前/住宅
【指定名称】三宝院唐門
【ふりがな】さんぼういんからもん
【員数】1棟
【時代・年】桃山時代(1573~1614年)
【構造・形式】三間一戸平唐門、檜皮葺
【所在地】京都府京都市伏見区醍醐東大路町
【国宝指定日】1954.03.20
鑑賞ログ
2019年4月
伽藍へ向かう参道の途中に壮麗な門が見え、まさかこんな金ピカ綺麗な門が国宝『唐門』だとは思いませんでした。 2010年の修復で、創建当時の黒漆+金箔に戻されたんだそうです。 最近はこういった創建当時の姿に戻す修復も増えていて、渋さは減りますが当時のインパクトは感じられるので、私的にはこれはこれで良いなと思っています。