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国宝-建築|法隆寺 綱封蔵[奈良]

国宝DB-建築

国宝『法隆寺 綱封蔵』

法隆寺の綱封蔵(こうふうぞう)は寺宝を保管した蔵で、高床の双倉(ならびぐら)様式で建てられている。 元は正倉院と同様に、天皇の勅命で開封される勅封蔵だったが、寺院の政務を司る役所「僧綱所(そうごうしょ)」の管理になり綱封蔵となった。 法隆寺の記録によると、奈良時代中期には双倉がいくつかあったようだが、現存する綱封蔵は平安時代中期頃に建立されたと推察される。

双倉は、同じ大きさの蔵を1棟程度分の間隔をあけて並べて建て、共通の屋根をつけたもの。 国宝の『正倉院』も双倉様式で、中間部分に板を張り3棟の蔵がつながるように建っているが、この綱封蔵は中間部分が吹き抜けのままになっており、各蔵の扉は吹き抜け部分に面している。

国宝『法隆寺 綱封蔵』奈良県
国宝『法隆寺 綱封蔵』各蔵の扉は内側に面している。
国宝『法隆寺 綱封蔵』奈良県

この国宝を観るには

綱封蔵は、聖霊院や東室の東側、食堂や大宝蔵院の南側に位置しており、大宝蔵院へ入場するチケットもぎりの横にあるので、無料でも観ることができる。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】102-2714
【指定番号】00218
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】法隆寺綱封蔵
【ふりがな】ほうりゅうじこうふうぞう
【員数】1棟
【時代・年】平安前期
【構造・形式】桁行九間、梁間三間、一重、高床、寄棟造、本瓦葺
【所在地】奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内
【国宝指定日】1967.06.15
【説明】この倉は当初は綱封蔵※ではなかったが、十二世紀の始めにそれまでの綱封蔵が破損顛倒したために、その時から綱封蔵になったものと考えられる。部材の材質や手法から、建立年代は平安時代中ごろと推定される。
 平面は桁行九間、梁間三間を方三間ずつ三区に分け、南北両区を倉にして中央部は吹抜けとする。内部は大梁上に二重梁を組み、束で棟木をうけ、化粧屋根裏とする。
 双倉として現存する例は東大寺正倉院宝庫とこの綱封蔵の二棟だが、綱封蔵のように中央を吹抜けとして、吹抜け部分に向かって扉を開く形式こそ本来の双倉の姿であり、その唯一の資料である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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