法起寺のこと
法隆寺から北東に歩いて20分ほどの「斑鳩町大字岡本」にあり、聖徳太子が法華経を説いた「岡本宮」のあった場所である。 聖徳太子建立七ヶ寺の1つで、太子の遺言により宮が寺に改められ、太子の長子「山背大兄王」は寺領を施入した。
国宝『三重塔』
創建当時に建てられた高さ23.9mの三重塔で、日本最古の三重塔である。 屋根の上に立つ金属製の「相輪」の一番下の部分「露盤」に銘が入っており、それによって寺建立の由緒や、塔の発願された年代などが判明している。 幾度か寺が衰微したが、鎌倉時代と江戸初期に修復がされている。 近年では昭和40年代に大規模な修復がなされている。
石壇の上に建てられており、初層・2層は3間(柱の間が3つ)だが、一番上の3層は2間になっている。 2層・3層には、法隆寺五重塔にもみられるような「高欄」という手すりが付いている。
この国宝を観るには
拝観寺院なので、時間内はいつでも拝観可能。 外観はバスも走る「奈良大和郡山斑鳩線」道路からもよく見える。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2736
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00030
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】法起寺三重塔
【ふりがな】ほっきじさんじゅうのとう
【員数】1基
【時代・年】天武13年~慶雲3年(684~706年)
【構造・形式】三間三重塔婆、本瓦葺
【所在地】奈良県生駒郡斑鳩町大字岡本
【国宝指定日】1951.06.09
鑑賞ログ
2019年5月
法隆寺~中宮寺とまわり、15分ほどのどかな田舎道を歩いて、法起寺に着きました。 奈良の中心部から法隆寺に向かうバスの中からも、三重塔がよく見えます。 季節によっては、とても「絵になる」風景ではないでしょうか。
現在はあまり有名な寺院ではありませんが、創建当時はかなりのものだったろうと思われる、基壇跡などもあります。 三重塔は、法隆寺からまわってきたこともあるかもしれませんが、華奢でかわいらしい印象を受けました。 開扉されていて中の様子も覗けます。 すぐ近くにバス停もあるので、時間があれば寄ってほしいお寺です。