阿弥陀三尊・童子像[法華寺/奈良]

国宝データ-絵画

法華寺のこと

光明皇后が、父の藤原不比等邸跡に建立した尼寺で、聖武天皇によって諸国に「国分寺」と「国分尼寺」が建立されると、法華寺は「総国分尼寺」とされる。 平安末期には衰退するが、重源上人や叡尊上人によって復興され、その後も豊臣秀頼と母の淀殿から伽藍を寄進される。 江戸期には皇室や公家から入寺する門跡寺院となり、先代の門主(住職)までは公家出身者が就いていた。 本尊は、光明皇后の姿をうつしたと伝わる国宝『十一面観音立像』で、ご開帳時以外は横の厨子に安置されるお身代り仏が公開されている。

国宝『阿弥陀三尊・童子像』

平安時代~鎌倉初期頃の作と考えられる大型の仏画で、3幅で1対だが大きさはそれぞれ異なり、童子を描いた1幅のみ1/3程と細幅である。 中央の阿弥陀如来は、画面いっぱいに蓮華座に坐した阿弥陀如来が描かれ、向かって左は画面の左上から降りてきたような両脇侍(観音菩薩・勢至菩薩)、右には幡を持った童子が描かれる。

阿弥陀如来は、正面を向き単尊で描かれたような静かな姿だが、脇侍と童子は来迎図のように雲に乗り、空から降りてきたように描かれている。 画風も異なり、阿弥陀如来は線を朱で描いており金銀のない落ち着いた画風だが、脇侍と童子には截金が施されている。 来迎図にも見えるが、阿弥陀如来の印が説法印なので、本来一具ではなかったとする説もある。

この国宝を観るには

毎年秋に、奈良国立博物館で「正倉院展」が開催されるのにあわせて、本堂の奥にある宝物館「慈光殿」で公開される。 寄託されている奈良国立博物館で公開されることもある。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-52
【指定番号】00047-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色阿弥陀三尊及童子像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくあみださんぞんおよびどうじぞう
【員数】3幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【所有者】法華寺
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年11月

この1年で3回目の法華寺です。 アクセスが悪くないので、空いた時間で来やすいですが、10月下旬~11月中旬の正倉院展の期間は、法華寺にある3点全ての国宝が一度に観られるので、遠方の方はこの時期をお勧めします。

阿弥陀三尊・童子像は、とても不思議な感じで、左右の2幅は左上から右下に流れるような来迎図ですが、中幅の阿弥陀如来だけは正面を向いています。 脇侍と同時に動きがあるだけに、阿弥陀如来の何かを超越した雰囲気が引き立っています。 慈光殿は1室だけのこじんまりした宝物館ですが、それほど人も多くないので、じっくり向き合えます。

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