法相宗と慈恩大師のこと
慈恩大師窺基(きき)は、西遊記のモデルにもなった玄奘三蔵の弟子で、玄奘三蔵が帰国し経典を翻訳するとその教義を引き継ぎ、唯識論を根本として法相宗の開祖となる。 日本には、遣唐使として唐に渡り玄奘三蔵に師事した「道昭」によって伝えられる。
国宝『慈恩大師像』
平安時代後期頃に描かれた大型の掛軸で、唐から請来した画像を元にして描いたと考えられている。 興福寺に伝わる2幅とは、体の向きや袈裟などの衣服は共通するが、興福寺は2幅とも立像で、薬師寺の本作は坐像で描かれている。

この国宝を観るには
毎年、慈恩大師の忌日である11/13に「慈恩会」が、薬師寺と興福寺で交互に開かれる。 薬師寺での慈恩会は大講堂で行われ、その際に本画がかけられる。 興福寺には2幅の慈恩大師画(2点とも重要文化財)が伝わり、こちらも慈恩会でかけられる。
※令和2年は薬師寺で開催予定
寺外での公開
2022/4/9~5/15 鳥取県立博物館「三蔵法師が伝えたもの」
2020/2/28~3/2 3/22 あべのハルカス美術館「薬師寺」
★新型コロナウィルス感染拡大防止のため、3/2で終了
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-65
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00061-00
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色慈恩大師像
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくじおんだいしぞう
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】平安時代
【国宝指定日】1952.11.22