国宝『宮女図(伝桓野王図)』
中国の元時代(日本の鎌倉後期~南北朝時代)に描かれた人物画で、赤い袍に黒い帽子を付けた男性の姿だが、柔らかな表情や細い指先、腕輪を付けていること等から、男装の女性を描いたものだとされる。 帯に横笛をさしていることから、古代中国・晋時代の笛の名手「桓野王」だとする説もある。
古くは足利将軍家の所有だったといわれ、江戸時代には狩野探幽ら狩野派の数名が外題や極めを書いている。 近代では川崎造船所の創業家である川崎男爵家の旧蔵品で、その後は倉敷紡績や現在のクラレなどの社長を務め、美術コレクターとしても高名で大原美術館を開館した大原孫三郎氏の所有となった。
この国宝を観るには
個人の所有であまり公開されることがないが、3~5年に1度ほどは公開されている。
公開履歴
2022/10/8~11/2 神戸市立博物館「よみがえる川崎美術館」
2022/10/8~11/2 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2017/10/3~10/15 京都国立博物館「国宝」
2014/10/4~10/19 三井記念美術館「東山御物の美」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-69
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00066-0
【種別】絵画
【指定名称】絹本著色宮女図〈/伝桓野王図〉
【ふりがな】けんぽんちゃくしょくきゅうじょず
【員数】1幅
【国】中国
【時代・年】元時代
【ト書】「銭選之印」の印がある
【所在地】岡山県
【所有者】個人
【国宝指定日】1952.11.22