義淵僧正坐像[岡寺]

国宝『義淵僧正坐像』

奈良時代に作られた「木心乾漆造」の肖像彫刻で、大きな目鼻や皺などが写実的に表現されている。 木心乾漆造は、木造である程度の形を作った上に麻布を貼り、その上に木屎漆(こくそうるし=漆に木屑や繊維を混ぜたもの)などを盛り上げて形を仕上げるもの。 この像は木屎漆が薄く、その後の時代の主流となる木造で、完成に近い形まで仕上げている。

東京国立博物館「奈良大和四寺のみほとけ」チラシから

義淵僧正のこと

岡寺の開祖「義淵」は奈良時代の法相宗の僧で、弟子には東大寺の良弁の他、行基や道鏡がいる。 703年文武天皇の御代に日本で最初の「僧正」位を授けられ、728年に岡寺で入寂するまで25年間その位にあった。 

岡寺のこと

天智天皇の勅願で義淵によって建てられた岡寺は、正式名称を「東光山 真珠院 龍蓋寺」といい、法相宗の寺院だったが江戸時代に真言宗豊山派の寺院となる。 大化の改新の舞台でもある飛鳥宮に近い「岡山」の中腹にあったので「岡寺」と呼ばれる。 現在も境内に義淵僧正廟所があり、10月の第3日曜には忌日の茶会が催され、1,000名に無料で抹茶が接待される。

この国宝を観るには

奈良国立博物館に寄託されており、仏像館で公開される場合がある。

2019/6/18~9/23 東京国立博物館「奈良大和四寺のみほとけ」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-269
【指定番号】00105-00
【種別】彫刻
【指定名称】木心乾漆義淵僧正坐像
【ふりがな】もくしんかんしつぎえんそうじょうざぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】奈良時代
【所有者】岡寺
【国宝指定日】1957.02.19

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ 2019年6月

東博の「奈良大和四寺のみほとけ」で鑑賞。 奈良時代の乾漆造りで、お腹あたりにはひび割れもありました。 高僧像はおだやかなイメージですが、こちらはちょっと異形感があります。 手なんかはほとんど乾漆がはげていて、木目なども見えました。

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