日月四季山水図屏風[金剛寺/大阪]

日月四季山水図屏風[金剛寺/大阪]

天野山金剛寺のこと

大阪南部の河内長野市にある真言宗寺院で、聖武天皇の命によって行基が開き、空海が修行したと伝わる。 一時は荒廃するが、後白河法皇の庇護を受け伽藍が再興された。 高野山から伝わった弘法大師像をまつる御影堂は、当時では珍しく女性でも参拝できたので「女人高野」と呼ばれる。

南北朝時代には、後醍醐天皇との結びつきが強く南朝方の拠点となり、仮の皇居である「行宮(あんぐう)」となったこともある。 その後は、天野酒など寺領からの産出品で潤い、織田信長や豊臣家の庇護も受けて、大伽藍が整った。 以降は火災にもあわず、多くの文化財が伝えられる。

国宝『日月四季山水図』

やまと絵で描かれた6曲1双(6扇の屏風が2つ1組)の屏風で、四季の山水と日月が描かれ、密教の灌頂の儀式に用いられたとされる。 作者や作られた背景などは不明で、制作時期も室町~桃山時代まで諸説あり、やまと絵の中に桃山的な装飾の様子が見られる。

1隻が縦150cm弱、横幅は3mを超える比較的大きな屏風。 右隻には、海に囲まれてこんもりと盛り上がった山々を春・夏の姿で描き、山あいには太陽が金箔であらわされる。 左隻は、秋の山から続く松林の海岸と、遠景に雪山を描き、銀箔で月があしらわれる。

金剛寺『日月四季山水図屏風』パンフレットより

この国宝を観るには

5月GWに数日間、11月上旬に5日間ほど、金剛寺で公開される。

公開予定

2020/7/21~9/13 九州国立博物館「海幸山幸」※コロナで延期

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-11841
【指定番号】161
【種別】絵画
【指定名称】紙本著色日月四季山水図
【ふりがな】しほんちゃくしょくじつげつしきさんすいず
【員数】1双
【時代・年】室町時代
【寸法・重量】各縦147.0㎝ 横313.5㎝
【品質・形状】屏風装 本紙紙継六枚
【所有者】金剛寺
【国宝指定日】2018.10.31
【説明】浜松の背後に四季の山並みを置き、空に日月を浮かべる。山や波の大きなうねりに松や波頭が絡みつき、それが大胆な金銀の装飾と響き合って、現在でも観者に強く訴えかけてくる。絵画性と装飾性が融合した日本絵画の特質をよく表した逸品である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年11月

11月上旬の3連休前後は、金剛寺のご本尊ご開帳と、日月四季山水図屏風が同時にあります。 河内長野駅前からのバスは1時間に1本ほどしかないのですが、大きい駅で食事をするところはたくさんあるので、時間調整はしやすくて助かります。

先にご本尊のご開帳をお参りしましたが、屏風の展示される本坊とのセット券があって少しお得なので、セット券を買っておきましょう。 屏風の展示される本坊は、金堂などの伽藍からいったん門を出て、川沿いを数分歩きます。 玄関を入ると、庭を囲むように建物を廊下がつないでいます。 屏風があるのは一番奥の「奥殿」で、北朝の御座所にもなったという雅な御殿です。 

座敷の奥に屏風が並んで立てられ、簡単な柵は置いてあるものの、畳に座ってじっくりと屏風に向き合えます。 もちろんガラスもなく、観光客もそれほど多くないので、解説を読みながらしっかり鑑賞出来て満足感が高いです。 たしかに四季山水屏風なんですが、金銀の太陽と月なんかはとてもモダンですし、波も図様化されていて琳派前夜という趣です。

天野山金剛寺 本坊 廊下の先が奥殿

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