国宝『大日経開題』
密教で重要視される「大日経」、大日経の解説書として「大日経疏」があるが、この「大日経開題」は、唐に留学中の空海が大日経疏から更に重要な部分を抜き書きしたもの。 紙の質やサイズが揃っていないものが継ぎ合わされていたり、書体も楷書・行書・草書が混ざり行間なども様々で、何日にもわたって書かれたものだと思われる。 書の名手として「三筆」の1人(他は嵯峨天皇・橘逸勢)にも数えられる弘法大師空海の直筆で、様々な書体の違いを見ることができるのも貴重である。
この国宝を観るには
醍醐寺の霊宝館にまれに出展される場合がある。
公開履歴
2024/4/13~5/12 奈良国立博物館「空海 KUKAI」
2023/11/17~12/3 醍醐寺 霊宝館「空海と真言密教の伝承」
2021/10/15~12/10 醍醐寺 霊宝館「弘法大師と醍醐寺」
2019/1/29~2/24 九州国立博物館「京都・醍醐寺展」
2018/9/19~10/15 サントリー美術館「京都・醍醐寺展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-589
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00045-00
【種別】書跡・典籍
【員数】1巻
【指定名称】大日経開題〈弘法大師筆/〉
【時代・年】平安時代
【作者】弘法大師
【所有者】醍醐寺
【国宝指定日】1951.09.09
鑑賞ログ
2018年9月
サントリー美術館「醍醐寺展」
国宝めぐりをしていると、空海の真筆は比較的ちょくちょく会えますが、これは正式な文書ではなく、空海が留学中の唐から日本に持ち帰る為に要点だけ抜き書きしたもの。 かっちり書かれている部分と細かい字で注釈を書き足した部分など「素」の書なのかなと思うと面白いです。