教行信証とは
浄土真宗の開祖「親鸞(しんらん)」の著書で、正式には「顕浄土真実教行証文類」という。 経典の解釈から浄土真宗の教義まで幅広く記され、浄土真宗の根本聖典とされる。 記述される末法時代の計算から、元仁元年(1224年)52歳の時におおよその記述は終わったとみられるが、その後30年にわたり推敲が重ねられる。
国宝『教行信証(坂東本)』親鸞筆
真宗大谷派(通称:東本願寺)に伝わる親鸞直筆本で、6冊が揃う。 親鸞の弟子「性信」が下総国(現在の東京東部~千葉県北部)に開いた「坂東報恩寺」に伝わったため「坂東本(ばんどうぼん)」と呼ばれる。
第二次大戦時、教行信証は真宗大谷派の浅草別院(現在の台東区「東本願寺」)の金庫に納められていた。 関東大震災で寺は全焼するが、焼け跡の金庫から救出された。 この時、自然発火しないように、金庫の温度が自然に下がるのを待って開いたという。

この国宝を観るには
京都国立博物館に寄託されており、同館でまれに公開されるほか、他館での展覧会に出展される場合もある。
公開履歴
2023/3/25~5/11 京都国立博物館「親鸞 生涯と名宝」
2015/7/29~9/6 京都国立博物館「第100回大蔵会記念」
2014/11/18~12/23 京都国立博物館「高僧の書」
2011/10/25~12/4 東京国立博物館「法然と親鸞 ゆかりの名宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-622
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00082-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】教行信証〈親鸞筆/(坂東本)〉
【ふりがな】きょうぎょうしんしょう
【員数】6冊
【時代・年】鎌倉時代
【作者】親鸞
【所有者】真宗大谷派(東本願寺)
【国宝指定日】1952.03.29