金光明最勝王経[西大寺/奈良]

金光明最勝王経[西大寺/奈良]

国宝『金光明最勝王経』

奈良時代の古写経で、巻尾に「天平宝字六年二月八日百済豊虫願経」とあり、百済豊虫が願主として、天平宝字六年(762年)に書写させたものだとわかる。 百済豊虫については詳しいことはわかっていない。 21巻書写されたうちの10巻が伝わるが、鎌倉時代に制作された附指定の経箱は10巻用なので、その頃には10巻がまとまって伝わったと考えられる。

金光明最勝王経は、この時代に最も重要視された経典の1つで、聖武天皇によって全国の国分寺に奉納されるなどした。 本品は、願文の書き方が光明皇后の「五月一日経」の願文に似ており、比較的近い人物ではないかという説もある。

平安中期頃に加えられたと考えられる白点や朱点が書き込まれており、仮名やヲコト点(喜多院点)などは国語学的にも貴重な資料となっている。

附「月輪牡丹蒔絵経箱」

金光明最勝王経10巻を入れるため、鎌倉時代に作られた蒔絵の経箱で、蓋の上面には蓮華座に乗った月輪を、脇四方には牡丹があらわされている。 2段になっており、各段に5巻ずつ入れられる。 東京国立博物館に寄託されており、漆工展示室などで展示される場合がある。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-689
【指定番号】00169
【指定名称】金光明最勝王経
【ふりがな】こんこうみょうさいしょうおうきょう
【員数】10巻
【時代・年】762年
【ト書】天平宝字六年二月八日百済豊虫願経
【所有者】西大寺
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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