国宝『紺紙金字法華経・観普賢経』
紺色に染められた料紙に、金泥で書写された法華経開結経で、当初は法華経8巻・開経の無量義経・結経の観普賢経とで10巻だったうちの8巻が残る。 無量義経と巻第4は早い段階で流出したが、無量義経は断簡として各所に伝わり「厳島切(いつくしまぎれ)」と呼ばれる。
平清盛と異母弟の平頼盛が合作で書写したもので、各巻の最初の数行を清盛が書き、残りを頼盛が写している。 見返し(巻の端から1行目の間)には、金泥で釈迦説法図などが描かれた華やかな経巻で、表紙には宝相華文で描かれる。 金銅製の経箱があり、附として国宝に指定されている。
この国宝を観るには
厳島神社の宝物館ではレプリカが展示されているが、毎年10~11月に宝物収蔵庫で開催される「宝物名品展」では、数ある文化財の中から数点の現物が展示される。 この経典は比較的公開されることが多く、毎年のように数点が公開される。
名品展が開かれる「宝物収蔵庫」は宝物館とは別で、厳島神社の後ろにある社務所の隣に位置している。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-715
【指定番号】00201-01
【指定名称】紺紙金字法華経
【ふりがな】こんしきんじほけきょう
【員数】7巻
【台帳・管理ID】201-716
【指定番号】00201-02
【指定名称】紺紙金字観普賢経
【ふりがな】こんしきんじかんふげんきょう
【員数】1巻
【附指定】金銅経箱 1合
【種別】書跡・典籍
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【時代・年】平安時代
【作者】平清盛、平賴盛
【所有者】厳島神社
【国宝指定日】1954.03.20