奈良原山経塚のこと
現在は「楢原山(ならばらさん)」とされる、標高約1,000mほどの奈良原山の山頂には、持統天皇の時代に創建されたと伝わる「奈良原神社」が建つ。 昭和9年(1934年)に、神社の境内で雨乞い祈祷の準備をしていたところ、社殿の東南から偶然発見された。
国宝『伊予国奈良原山経塚出土品』
平安時代後期の経塚で、発見時、経塚は石でおおわれていた。 敷石の上に、2つの大型の甕でおおわれた、高さ約70cmの銅製の宝塔が置かれ、甕からは鏡・檜扇・刀子・合子・鈴・古銭なども出土している。 同じように、高さ30cmほどの円柱形の銅経筒も、甕おおわれた状態で発見され、こちらからも鏡・檜扇・笄が発見されている。
国宝指定の内容
銅宝塔 1基
銅経筒 1口
銅鏡 5面(内残片2面)
檜扇 2柄(内残片1柄)
青白磁盒子 2口
金銅笄 1本
刀子 一括
銅鈴 5口
鉄鈴 1口
鰐口 1口
銅銭 一括
甕(残闕共)3口分
椀形土器 1口
其他伴出物一切
この国宝を観るには
愛媛県今治市にある「玉川近代美術館」で、春(4~5月)と秋(10~11月)頃の約1ヶ月ずつ特別公開される。
玉川近代美術館 公式サイト
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-854
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00021-00
【種別】考古資料
【指定名称】伊予国奈良原山経塚出土品
【ふりがな】いよのくにならはらやまきょうづかしゅつどひん
【員数】一括
【時代・年】平安時代
【所在地】玉川近代美術館
【国宝指定日】1956.06.28