入門 墨の美術-古写経・古筆・水墨画-
仏教の伝来とともに写経が伝わってから、墨は日本の文化と切り離せないものになっていきます。 この展覧会では「古写経」「古筆」「水墨画」に分けて、その特徴などみせて頂けそうです。
1章 祈りの墨 古写経
奈良時代は有力者や国家事業としても写経が行われました。 この時代はとても端正な文字で、私たちでも読みやすいんです。 光明皇后が両親の供養のために発願した「華手経」などが出展されます。
2章 雅なる墨 古筆
墨というと地味そうなイメージですが、平安時代の古筆は華やかな料紙が使われているので、そこに注目するのも楽しいです。 国宝の『倭漢朗詠抄(太田切)』や「寸松庵色紙」などが観られます。
3章 墨に五彩あり 水墨画
鎌倉~室町時代に禅宗が有力者の帰依を受けると、雪舟や雪村などの画僧によって多くの水墨画が描かれ、日宋貿易によっても多くの舶来画がもたらされます。 雪舟の師「周文」によると伝わる「四季山水図屏風」や、雪村の「柳鷺図」などが出るようです。
この展覧会で観られる国宝
倭漢朗詠抄(太田切)
平安時代に編纂された「倭漢朗詠抄(和漢朗詠集)」の古写本で、掛川藩主の太田家に伝来したので「太田切」の名前で呼ばれます。 様々な色の舶来の料紙に、日本で花鳥草木を金銀泥で描きこんでいて、平安時代らしい華やかな1品です。 修復されてから初公開となるようです。
展覧会 概要
期間:2019/8/31~10/14
休日:毎月曜日(祝日は開館、翌火曜が休館)
時間:10:00~16:30(入館は30分前まで)
料金:大人¥1,000、大高生¥700、中学生以下無料