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情報|泉屋博古館 東京「安宅コレクション名品選101」2023/3/18~5/21[東京]

情報-博物館・美術館

大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101 展

住友家のコレクションが元になっている泉屋博古館は京都と東京にあって、東京の博物館は「泉屋博古館 分館」でしたが、2020年から約2年間のリニューアル工事を経て、名前が「泉屋博古館 東京」に変更されました。 昨年は1年がかりで自館の名品をテーマごとに紹介する展覧会が3つ続き、泉屋博古館の底力を見せつけられたところです。 

リニューアルオープンからちょうど1年経つ2023年春は、ほぼ大阪市立東洋陶磁美術館の名品で構成される展覧会です。 大阪市立東洋陶磁美術館の「安宅コレクション」とは、10大総合商社の一角に数えられた安宅産業の会長をつとめた安宅英一氏が蒐集した陶磁器で、安宅産業の経営破綻によって住友グループが大阪市に寄付し、陶器コレクションを展示・収容するために東洋陶器美術館が開設されました。 南宋時代の中国で焼かれた2点の国宝をはじめ、中国や韓国の様々な時代の陶磁器を所蔵しています。

東洋陶器美術館は市役所もある中之島の東端にあり、原則として2点の国宝は常設展で公開されていて写真撮影も可能、数か所ですが自然光で作品を展示するコーナーもある素敵な博物館でした。 2022年2月から改修工事に入り、当初は2023年秋頃まで休館とアナウンスされていましたが、休館が延びて2024年春頃までかかるようです。 昨秋は、国宝2点を含む作品が台湾の故宮博物院へ出張していましたが、2023年は東京のこの展覧会の後に九州国立博物館でも展覧会があるようです。

泉屋博古館 東京「安宅コレクション名品選101」チラシより

この展覧会で観られる国宝

油滴天目茶碗[大阪市立東洋陶磁美術館]

焼き物に詳しくない方でも「曜変天目」の名前は聞いたことがある方が多いのではないでしょうか? この油滴天目(ゆてきてんもく)も曜変天目と同じ中国の建窯で焼かれたもので、全体に細かい雫が散ったような模様があり、時代や品物によっては油滴も曜変天目に分類されていたようです。 油滴天目の名品はいくつかありますが、国宝に指定されているのはこの1点のみで、豊臣秀次→西本願寺→三井家→若狭酒井家に伝わった由緒ある逸品です。

飛青磁花生[大阪市立東洋陶磁美術館]

花生(はないけ)または花入(はないれ)などと呼ばれるいわゆる花瓶ですが、現在のようなインテリアの一部というより茶道具の一部として、歴代の所有者なども重要視されたようです。

青磁という透き通るようなエメラルドグリーンの地に、鉄分の多い成分を所々に“飛”ばして模様を出しているので、飛青磁と呼ばれる技法です。 下が膨らんだこの形は中国では酒器として作られたようですが、日本ではもっぱら花生として珍重されました。 青磁の陶器は3点が国宝に指定されていますが、3点すべてが花生(花入)で、飛青磁はこの1点だけです。

江戸時代には豪商の鴻池家が所有したという名品です。

秋野牧牛図[泉屋博古館]

後期(4/18~5/21)のみ

茶の湯の世界にも流行りがあって、室町時代は宋からもたらされた書画や道具類が珍重され、室町将軍の豪華な広間を飾りました。 やがて千利休の侘茶の流行で、日本で焼かれた手びねりの焼き物や禅僧の書が珍重されるようになります。 今回出展される国宝陶器は2点とも宋時代の中国のもので、それにあわせてか、泉屋博古館が所蔵する南宋絵画が出展されます。 銘は入っていませんが、南宋時代の宮廷画家「閻次平」作とする説もある絵画で、足利将軍家の所有だったので東山御物と呼ばれる名画です。

展覧会 概要

期間:2023/3/18~5/21
休館:月曜日
時間:11:00~18:00(金曜は~19:00)入館は30分前まで
料金:一般¥1,200、大高生¥800、中学生以下無料

この展覧会では講堂などを除き撮影可能です。

泉屋博古館 東京 公式サイト
大阪市立東洋陶磁美術館 公式サイト

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