国宝『不動堂』
鳥羽天皇の皇女で後白河法皇の妹「八条女院」の発願によって、行勝上人が建久9年(1198年)に建立したと伝わる仏堂で、蔀戸に縁をめぐらせた平安貴族の邸宅風に作られている。 元は、女人堂と金剛峯寺の中間あたりにある一心院谷(現在の金輪公園付近)にあったが、明治41年(1908年)の解体修理で現在の位置に移築された。
移築される前は、重要文化財に指定された平安後期の「不動明王坐像」と、運慶作の国宝『八大童子立像』が安置されていたが、護摩焚きによる煤などがないことから、建造当初の目的は不明である。 桁行3間(横幅の柱間が3つ)、梁間4間(奥行の柱間が4つ)で、左右両側には1間の脇室があり縋破風(すがるはふ)が付く。 ゆるやかな屋根は、檜皮で葺かれている。
この国宝を観るには
高野山の中心地である「壇上伽藍」に建っており、拝観時間内はいつでも観ることができる。
拝観時間:8:00~17:00(11~3月は8:30~16:30)
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2882
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00070
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】金剛峯寺不動堂
【ふりがな】こんごうぶじふどうどう
【員数】1棟
【時代・年】鎌倉後期
【構造・形式】桁行三間、梁間四間、一重、入母屋造、右側面一間通り庇、左側面一間通り三間庇、すがる破風造、向拝一間、檜皮葺
【所在地】和歌山県伊都郡高野町大字高野山
【重文指定日】1899.04.05
【国宝指定日】1952.03.29