金剛三昧院のこと
金剛三昧院(こんごうざんまいいん)は、源頼朝の菩提を弔うために妻の政子が建暦元年(1211年)に建立した「禅定院」に始まり、承久元年(1219年)に頼朝と政子の次男で3代将軍の実朝が没すると遺骨が納められ、金剛三昧院に改称される。 禅定院の落慶には日本に臨済宗を伝えた栄西が招かれ開山になっており、天福2年(1234年)には栄西の高弟だった退耕行勇(たいこうぎょうゆう)が長老となり、密教・禅宗・律宗の三宗兼学であった。 その後も幕府や有力な武家の帰依が厚く、多くの荘園や伽藍を持ち、金剛峯寺とは離れた位置にあったために類焼を免れ、創建当時の堂宇や仏像が多く残っている。 平成16年(2004年)に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されるが、塔頭としては金剛三昧院だけが選ばれている。
国宝『多宝塔』
次男で3代将軍の実朝が承久元年(1219年)に亡くなった後、貞応2年(1223年)に頼朝と実朝の供養のために、政子の発願によって建立される。 現存する多宝塔では、石山寺の国宝『多宝塔』に次ぐ古さで、中には創建当時に作られた重要文化財の「五智如来坐像」が安置されている。
この国宝を観るには
3月上旬頃から12月上旬ごろまでが拝観期間で、拝観料¥300(特別公開時期は¥500)で多宝塔も観ることができる。 内部は原則として公開されていないが、2022年は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に伴って、3/5〜12/18の土日祝に特別開帳される。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2890
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00097
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】金剛三昧院多宝塔
【ふりがな】こんごうさんまいいんたほうとう
【員数】1基
【時代・年】貞応2年(1223年)
【構造・形式】三間多宝塔、檜皮葺
【所在地】和歌山県伊都郡高野町大字高野山
【重文指定日】1899.04.05
【国宝指定日】1952.11.22
ついでにグルメ
高野山のメインストリート県道5号線「小田原通り」沿い、金剛三昧院に向かう小辺路の入口近くに、大きな店構えの和菓子店があります。 高野山銘菓「みろく石」を作っておられる「かさ国」さんで、店頭では焼き餅を焼いて売っている、庶民的で親しみやすいお店です。 店頭で注文したお菓子を奥のイートインスペースで頂くことができて、お茶はセルフですが無料サービスで、お手頃価格でティータイムが楽しめます。
写真右はヨモギの焼き餅、左はお菓子屋さんの豆腐で、胡麻豆腐のスイーツ版です。 これがとても美味しくて、葛で作った胡麻プリンのような食感と味は、特に暑い日にはのど越し良く頂けると思います。 比較的日持ちする和菓子が多かったので、お店で味見して気に入ったものは追加テイクアウトしてしまいました。