スポンサーリンク

国宝-絵画|鳥獣人物戯画絵巻[高山寺/京都]

国宝DB-絵画

国宝『鳥獣人物戯画』

ウサギ・カエル・サル・キツネなどが、ユーモラスに相撲を取ったり、法要を営んだりする様子を、幅30cmほどの紙に墨で描き、現在は4巻の絵巻になっている。 伝承作者は鳥羽僧正だが確かな証拠はなく、4巻は画風が異なるので、複数の作者の絵をつないだものだとされる。 この4巻のほかに、断簡がいくつかの博物館に所蔵されている。

甲・乙の2巻は平安時代後期の作で、甲巻(約150cm)は、有名なウサギやサルやカエルが擬人化され、生き生きと遊んだり競ったりする様子を描く。 乙巻(120cm弱)は動物図鑑のようで、空想と実在の生き物が描かれる。

丙丁の2巻は鎌倉時代の作で、丙巻(約93cm)は、僧侶や庶民が囲碁や双六などのゲームや、紐を使った引っ張り合いを楽しむ様子と、後半には甲巻のような生き物が登場する。 丁巻(約113cm)には生き物は登場せず、曲芸を眺める人々や、修験者と法師の験比べなどが描かれる。

鳥獣人物戯画レプリカ(便利堂)

高山寺のこと

京都市右京区の山あい、清滝川に沿って走る「周山街道」沿いに、高雄(高尾)の神護寺、槙尾の西明寺、栂尾の高山寺で「三尾(さんび)」と呼ばれ、紅葉の名所としても人気がある。

建永元年(1206年)に明恵上人が、奈良時代からの古寺で当時は神護寺の子院だったこの地を後鳥羽上皇から賜り、華厳宗の根本道場とする。 優れた学僧や絵仏師が集まり、現在まで伝わる多くの経典や美術品が制作された。 入宋僧で、日本に茶の文化をもたらした栄西禅師が、中国から持ち帰った茶を明恵に贈り、明恵が高山寺に植えた日本最古の茶畑がある。 

この国宝を観るには

甲・丙巻は東京国立博物館に、乙・丁巻は京都国立博物館に寄託されており、通常展に出展されることは少ない。 両館での特別展や、他館での展覧会に貸し出されることもある。

公開履歴

2024/7/9~9/1 北海道立近代美術館「京都 高山寺展」
2023/10/11~12/3 東京国立博物館「やまと絵
2021/4/13~6/20 東京国立博物館「国宝 鳥獣戯画のすべて
2020/7/14~8/30 東京国立博物館「国宝 鳥獣戯画のすべて」※コロナで延期
2019/3/21~5/6 中之島香雪美術館「明恵の夢と高山寺
2015/4/28~6/7 東京国立博物館「鳥獣戯画─京都 高山寺の至宝─」
2014/10/7~11/24 京都国立博物館「鳥獣戯画と高山寺」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-51
【指定番号】00046-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画鳥獣人物戯画
【員数】4巻
【時代・年】平安/鎌倉
【所有者】高山寺
【国宝指定日】1952.03.29

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

タイトルとURLをコピーしました