随身庭騎絵巻[大倉集古館/東京]

随身庭騎絵巻[大倉集古館/東京]

随身とは

平安時代から、貴人の外出の際に威儀と警護を兼ねて付けられた、近衛府の官人で、容貌が良く教養の高いものが選ばれた。 勅宣(天皇の命令)によって付けられ、身位によって人数が決められ、最も多い上皇には14名の随身が付いた。 雛人形で矢を背負い武官の装束をしているものや、神社の随身門に置かれる随身像に名残りをとどめる。

国宝『随身庭騎絵巻』

鎌倉時代に描かれた絵巻物で、9名の随身が「似せ絵」の技法で描かれており、顔や馬具などの一部は着色されているが、大部分が線のみで表現されている。 細く細かい線で人相や表情を書き分ける「似絵(にせえ)」は鎌倉時代に流行し、この作品の一部も似せ絵の名手と言われた「藤原信実」によるものとする説が強い。

大倉集古館パンフレットより(切抜画像)

描かれた9名の人物は全て実在の人物で、後の6名の前には「宝治元年十月院御随身」(宝治元年=1247年)と書きこまれており、後嵯峨院(上皇)に仕えた随身だとわかる。 前の3人はそれよりも古い平安時代末期の随身達で、元になる絵がありそれを模写したものだと考えられる。

大倉集古館パンフレットより(切抜画像)

この国宝を観るには

所蔵館の大倉集古館で数年に一度程度公開されるほか、他館へ貸し出される場合もあるが、機会はそれほど多くない。

2015/7/7~8/2 東京国立博物館 国宝室
2018/11/6~12/9 九州国立博物館「オークラコレクション展」
2019/10/16~11/17 大倉集古館「桃源郷展」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-74
【指定番号】00071-00
【指定名称】紙本淡彩随身庭騎絵巻
【員数】1巻
【時代・年】1247年
【ト書】図中に「宝治元年十月院御随身」とある
【所在地】大倉集古館
【国宝指定日】1953.03.31

出典:国指定文化財等データベース一部抜

鑑賞ログ 2019年11月

リニューアルオープンの大倉集古館です。 事前のチラシで、国宝『普賢菩薩騎象像』と『古今和歌集序』が公開されるのは知っていましたが、行ってみると前期のみ展示の古今和歌集にかえて『随身庭騎絵巻』が後期に出展されることが分かりました。 これは後期も訪問確定です。

そして後期ギリギリに滑り込み、前期では古今和歌集のあったケースに展示してありました。 3人ずつでかなりタッチが違います。 随身達は身なりを整えて貴人に付き添ったので、当時のアイドル的存在だったそうですが、今の基準からだとかなりのわがままボディで。。。 さすがに貫録はありますし、ふくよかな方が装束を付けた時に立派に見えますものね。

「似絵」はかなり特徴的にその人物を表現するので、今の似顔絵や浮世絵の大首絵のようなものでしょうか。 この絵巻も複数の人物が描いたようですが、同じ人物を別の画家で見比べてみたいものです。

大倉集古館

国宝データ 絵画カテゴリの最新記事