情報|大倉集古館リニューアル「桃源郷展」2019/9/12~11/17

情報|大倉集古館リニューアル「桃源郷展」2019/9/12~11/17

大倉集古館のこと

大倉集古館は、明治~大正期の実業家で大倉財閥の創始者「大倉喜八郎」が自身のコレクションを元に日本初の私立美術館として自邸内に設立したのが始まりです。 後に息子の喜七郎が自邸にホテル・オークラを設立したため、現在もホテル敷地内に位置しています。

開館当時の建物は関東大震災で失いますが、昭和3年(1928年)には現在でも一部が残る東洋風の建物が再建されます。 1998年には国の登録有形文化財に指定され、2014~2019年の長期にわたる改修工事を経て2019年秋にリニューアルオープンします。

大倉集古館リニューアル「桃源郷展」2019/9/12~11/17

桃源郷展

リニューアル記念の展示は「桃源郷展」で、新収蔵品の呉春による「武陵桃源図屏風」が公開されるので、これを中心にした企画展のようです。 呉春の師である与謝蕪村の作品のほか、桃をデザインした工芸品なども出展されます。 桃は古来からお目出度いモチーフとされているので、リニューアルにはぴったりですね。

大倉集古館リニューアル「桃源郷展」 フライヤーより

桃花源記のこと(追記)

中国六朝時代の東晋~宋(4~5世紀)頃の詩人「陶淵明(とうえんめい)」による散文です。 画題として好まれ、日本でも数多く制作されました。

【あらすじ】
武陵(ぶりょう)に住む漁師が、桃の花が咲く林に迷い込み洞窟を抜けると、秦の戦乱をさけ世間と隔絶して平和に暮らす人々の村に出会い歓待を受ける。 後で太守を案内しようとするが、ついに見つけられなかったという。

大倉集古館名品展

1階の展示室では、大倉集古館が所蔵する名品の数々が展示されます。 改修工事中も他館へ何度か貸し出されていた国宝『普賢菩薩騎象像』などおなじみの美術品に再会できます。

大倉集古館リニューアル「桃源郷展」 フライヤーより

この展示で観られる国宝

普賢菩薩騎象像

平安後期の仏像で、少しずんぐりした象の上に蓮華座を乗せ、穏やかな表情の普賢菩薩が結跏趺坐で合掌しています。 これは愛嬌たっぷりの象がかわいらしいですよ。

古今和歌集序 伝源俊頼筆

前期(9/12~10/14)
「巻子本」と呼ばれる全20巻の古今和歌集+1巻の序文からなる21巻だったとみられるが、巻本で現存するのはこの序巻のみだそうです。 様々な色の料紙に、蠟箋(ろうせん=エンボス加工)や雲母で装飾が加えられた華やかな巻物です。

随身庭騎絵巻

後期(10/16~11/17)
あまり彩色をせず枠線を中心とする「白描(はくびょう)」という手法で、9人の随身(貴人を警護する役人で儀礼の意味も強い)を描いた絵巻物です。 似絵(にせえ)を得意とする藤原信実とその一派によるとする説が強いようです。

この展覧会でのイベント

オークラウロと和の宴(コンサート)

大倉喜七郎が作った縦笛「オークラウロ」と、三味線・ギターによるコンサートです。

日時:2019/10/6(日)14:30~
会場:大倉集古館B1Fホール(全席自由)
料金:¥2,000(桃源郷展も見学可能)
※大倉集古館で予約を受け付けているようです

特別講演「呉春の写生画」

公家の冷泉家25代当主で、京都美術工芸大学の学長でもある「冷泉為人」氏による講演会で、サブタイトルが「蕪村の南画と応挙の写生画をめぐって」となっているので、日本画好きは気になりますね。

日時:2019/10/12(土)14:00~15:30
会場:大倉集古館B1Fホール(全席自由)
料金:無料(桃源郷展の入場券が必要)
※大倉集古館で予約を受け付けているようです

展覧会 概要

期間:2019/9/12~11/17
休日:毎月曜(祝日は開館し、翌火曜が休館)
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:大人¥1,300、大高生¥1,000
※ぐるっとパスで入館可能
公式サイト:https://www.shukokan.org/

鑑賞ログ

5年ぶりのリニューアルですが、近代的な高層ビルに生まれ変わったホテルオークラとは違い、あの豪華な中国の大邸宅は懐かしいままでした。 耐震化や見やすいガラスケースへの変更はされたようですが、石の手すりにオカッパ頭の狛犬も健在です。 2階のテラスもそのままで、新しい本館を正面にゆったりと過ごせそうです。

今回は「桃源郷展」ということですが、中国の「桃花源記」という散文詩がベースになっているようで、桃林と船をこぐ(櫂を持つ)漁夫は必ずいるようです。 後は、系統や画家の好みで描きこまれる内容が違うようで、途中で2階のテラスに出て「桃花源記」のあらすじを調べたのは正解でした。

閉館中に2度ほど東博で観た国宝『普賢菩薩騎象像』は1階でぐるっと観られるガラスケースに入って、やっぱりこの場所が落ち着くなと再確認。 公式サイトには出ていなかったのですが、後期に国宝『随身庭騎絵巻』が観られるようなので、リピート予定です。

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