国宝『竹斎読書図』伝周文筆
下部に水墨画を、上部には漢詩や賛を書く「詩画軸」で、南禅寺の「杲(こう)」という禅僧が所持した山水画に、6名の僧が序と詩を書いている。 序に文安4年(1447年)とあるが、絵が描かれたのはそれよりも前の時代だと考えられる。 序を書いた「竺雲等連」が開山となった、嵯峨にある天龍寺の塔頭「妙智院」に伝来し、現在は東京国立博物館に所蔵される。
絵の作者は、相国寺に属し足利将軍家にも仕え、雪舟の師といわれる「周文(しゅうぶん)」という画僧。 周文の真筆は確認されておらず、この作品も伝承筆者にとどまる。 中国・南宋の画家「夏珪」や「馬遠」の影響が強いが、更に日本的な山水画になっている。 険しい山あいに、竹林に囲まれて立つ庵で書を読む人物と、そこを訪ねる人物を、墨の濃淡や線の強弱で描き分けている。 周文の作品と伝わる詩画軸では、もう1点『淡彩山水図(水色巒光図)』が国宝に指定されている。
この国宝を観るには
所蔵する東京国立博物館で公開されるほか、他館への貸し出しも時々ある。
公開履歴
2022/11/15~12/18 東京国立博物館 150周年「国宝 東京国立博物館のすべて」
2021/8/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝」
2017/10/31~11/26 京都国立博物館「国宝展」
2016/5/3~5/22 京都国立博物館「禅-心をかたちに-展」
2014/11/11~2014/12/7 東京国立博物館「日本国宝展」
2013/9/18~2013/9/29 東京国立博物館 本館3室
2011/8/9~2011/9/19 東京国立博物館 本館3室
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-111
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00108-00
【種別】絵画
【指定名称】紙本墨画淡彩竹斎読書図〈伝周文筆/〉
【員数】1幅
【国】日本
【時代・年】室町時代
【ト書】文安四年竺雲等連の序並に江西竜派等五僧の賛がある
【所在地】東京国立博物館
【国宝指定日】1955.02.02
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