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国宝-彫刻|観音菩薩立像(救世観音)[法隆寺夢殿/奈良]

国宝DB-彫刻

救世観音とは

観音菩薩は、人を救うために様々な姿(十一面観音・如意輪観音・馬頭観音など)をとり、これらは経典に説かれている。 救世観音も観音菩薩の一種だが、経典にはこの名はみられず、苦しみから救ってくれるという意味でこう呼ばれたと考えられる。 法隆寺夢殿の他にも、救世観音と呼ばれる像はいくつかあるが、姿や持物などは統一されていない。

国宝『観音菩薩立像(救世観音)』

生前の聖徳太子を写したと伝わる立像で、太子の邸宅跡地にある法隆寺「東院」の八角円堂『夢殿』の本尊として安置される。 楠の一木造りで、聖徳太子の等身大だといわれる像高は180cm弱で、全身に金箔がほどこされている。 制作時期や作者は不明だが、飛鳥時代7世紀頃に作られたと推測される。

衣や領巾は左右対称で長く伸び、緩やかなカーブで外側にはねている。 顔はエキゾチックな印象で、アーモンド形の目に微笑みをたたえ、華やかな宝冠をかぶっている。 全体的にスラリとした姿をし、胸に近いところで両手に宝珠を持っている。

この像は長く秘仏だったが、文化財の調査と保護を託された「お雇い外国人」のアーネスト・フェノロサと、その助手兼通訳の岡倉天心によって、明治17年(1884年)に秘が解かれた。 厨子を開くと、木綿の布を包帯のように幾重にも巻かれた像があり、布を取ると黄金に輝く像が現れた。 長い間、布と厨子で保護されていたため、金箔の落剝が少なくコンディションのいい状態で残っている。

この国宝を観るには

春と秋の約1カ月ずつ、ご開帳がある。
春季:4/11~5/18
秋季:10/22~11/22

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-183
【指定番号】00022-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造観音菩薩立像(夢殿安置)
【ふりがな】もくぞうかんのんぼさつりゅうぞう
【員数】1躯
【国】日本
【時代・年】飛鳥時代
【所在地】法隆寺夢殿
【国宝指定日】1951.06.09

出典:国指定文化財等データベース一部抜

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