四天王のこと
四天王は、仏教の守護神として、本尊や仏堂を守るように4隅に安置されることが多い。 特に、仏教が個人の利益のためでなく、国家鎮護を祈念した仏教伝来~平安時代頃の寺院には、四天王が置かれることが多い。
北:多聞天(単尊では毘沙門天)、東:持国天、南:増長天、西:広目天が、それぞれ守護するとされる。 仏堂の4隅に安置される場合は、時計回りに45°回転させ、向かって右奥から時計回りに多聞天、右手前を持国天、左手前を増長天、左手奥に広目天を配する。
国宝『四天王立像』
近年まで南円堂に安置されていた四天王立像で、中金堂の落慶に伴い移動され、南円堂には仮講堂に安置されていた国宝『四天王立像』が移された。 鎌倉時代に運慶の周辺で制作されたと考えられ、当初は北円堂に安置されたとする説もある。 塔を頭上高くにかかげる多聞天(毘沙門天)など、力強く躍動感にあふれる姿をしている。
この国宝を観るには
中金堂の落慶以降は中金堂に安置されているが、コロナ禍で中金堂の拝観が長く制限されているため、内部拝観できる時期にしか観ることができない。
2022/1/1~1/7 中金堂「吉祥天倚像」特別開帳で拝観可能
寺外での公開
2025/9/9~11/30 東京国立博物館「運慶」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-250
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00087-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造四天王立像
【ふりがな】もくぞうしてんのうりゅうぞう
【員数】4躯
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】興福寺
【重文指定日】1901.03.27
【国宝指定日】1954.03.20