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国宝-彫刻|僧形八幡神坐像(快慶作)[東大寺/奈良]

国宝DB-彫刻

国宝『僧形八幡神坐像』快慶作

僧形八幡神は、神仏習合の本地垂迹説によって、八幡神が僧侶の姿で八幡大菩薩として表されたもの。 東大寺の鎮守社として、宇佐八幡を勧請した手向山八幡宮のご神体とされたが、明治の神仏分離で東大寺に移された。 現在は、勧進所の八幡殿に安置されている。

手向山八幡宮の創建は奈良時代だが、平家の焼き討ちで焼失し、重源上人によって再興されている。 重源は、空海と八幡神がお互いを写しあったという「互の御影」の下賜を後鳥羽院に願い出たが、下賜されずに快慶に制作が託された。 快慶は制作にあたり、互の御影を写したといわれる。 当時、後鳥羽院の離宮に造営した「勝光明院」の宝蔵にあった互の御影は、石清水八幡宮も下賜を願い出ていたが、結局元あった神護寺に戻されたという。

像高は87cmほどのヒノキの寄木造りで、内刳りをした内部に麻布を貼り、墨書が書かれている。 墨書には、後鳥羽院をはじめ女院や法親王、快慶ら仏師や職人ら結縁した人物が記されている。 彩色が現在でも残っており、華やかな色彩の袈裟をまとい蓮華座に坐している。 右手には錫杖を持ち、これは造像当時からのものである。

この国宝を観るには

東大寺戒壇堂近く、通常は非公開の勧進所内「八幡殿」に安置されている。 毎年10/5に、手向山八幡宮の祭礼「転害会」が国宝『転害門』で行われ、その時に開扉される。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-268
【指定番号】00104-00
【種別】彫刻
【指定名称】木造僧形八幡神坐像〈快慶作/(八幡殿安置)〉
【ふりがな】もくぞうそうぎょうはちまんしんざぞう
【員数】1躯
【時代・年】1201年
【作者】快慶
【ト書】像内に東大寺八幡宮安置、建仁元年十二月廿七日開眼、造立施主快慶の銘がある
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1957.02.19

出典:国指定文化財等データベース一部抜
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