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国宝-工芸|梵鐘(旧道澄寺梵鐘)[栄山寺(榮山寺)/奈良]

国宝DB-工芸

国宝『梵鐘』旧道澄寺梵鐘

京都深草の道澄寺(後述)のために作られた梵鐘で、応仁の乱頃に道澄寺から流出し、江戸時代には栄山寺に入っている。 銘文に延喜17年(917年)とあり、この年に鋳造されている。

菅原道真が選び、それを三跡とされる能書家の小野道風が書いたという銘文を、線が浮き上がる陽鋳で表している。 高さ157cmほどで全体的にバランスがよく、最上部分にある鐘を吊るすための龍頭(りゅうず)の細工が細かく、評価が高い。 

国宝『梵鐘』栄山寺[奈良県五條市]
国宝『梵鐘』栄山寺[奈良県五條市]
国宝『梵鐘』 菅原道真選・小野道風筆の銘文
栄山寺梵鐘の銘文(現地の案内板)

道澄寺のこと

平安時代の醍醐天皇の頃に、延喜式の編纂にも携わった藤原道明と、その伯父の橘澄清によって、京都府格差の地に「道澄寺」が創建された。 寺の名は、2人の名前から1字ずつ取っている。 荒廃と再興が幾度か繰り返され、現在は浄土宗の寺院となり、現代的な建物に地蔵菩薩を安置している。

この国宝を観るには

栄山寺の拝観受付時間内(9:00~16:00)は、鐘楼堂の中に吊るされた鐘を間近で観ることができる。 境内には国宝『八角堂』があり、秋の特別公開では中に入ることもできる。

栄山寺 公式サイト

栄山寺 鐘楼堂

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-345
【指定番号】00058-00
【種別】工芸品
【指定名称】梵鐘
【ふりがな】ぼんしょう
【員数】1口
【国】日本
【時代・年】延喜17年(917年)
【寸法・重量】高155.0cm、口径89.7cm
【品質・形状】竜頭は低平で、笠形は盛り少なく、鐘身にはやや膨らみがあって形姿の比例は完好である。特に竜頭は広く強く張り、幅厚く、瞋目、怒張、大きく開口して笠形を噛む状態を写実的に造り
【ト書】道澄寺、延喜十七年十一月三日在銘
【画賛・銘等】池の間四区に陽鋳銘がある。
【所有者】栄山寺
【国宝指定日】1952.03.29
【説明】旧深草道澄寺の鐘で、神護寺鐘と双璧をなす銘を有するものとして古くより知られる。銘文は選者を菅原道真、筆者を小野道風と伝える説があるが、延喜十七年に道真は既になく、書体は道風より古様であると言われる。文章、書風は堂々として風格があり、鐘自体の形姿、作技の優れた名鐘である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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