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国宝-工芸|梵鐘[建長寺/神奈川]

国宝DB-工芸

国宝『建長寺 梵鐘』

建長寺は、建長5年(1253年)に創建された臨済宗建長寺派の総本山で、鎌倉五山の第一位。 国宝の『梵鐘』は、寺の創建から2年後の1255年に鋳造されたもので、貴重な創建当時のものである。 円覚寺、常楽寺とともに「鎌倉三名鐘」に数えられる。

銘は「建長寺鐘、建長七年二月廿一日、大檀那平時頼、住持宋沙門道隆題、大工大和権守物部重光在銘」とあり、平時頼(北条時頼)によって物部重光が製作し、僧の蘭渓道隆が 銘文を作り建長7年(1255年)に出来たものだとわかる。

正岡子規の有名な句に「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」があるが、この句は同年に夏目漱石の詠んだ「鐘つけば銀杏ちるなり建長寺」を参考にして造られたものだという。

国宝『建長寺 梵鐘』鎌倉市
国宝『建長寺 梵鐘』鎌倉市
国宝『建長寺 梵鐘』鎌倉市

この国宝を観るには

三門の横に建つ鐘楼に掛けられており、拝観時間中はいつでも間近で観ることができる。 大晦日ほか、僧侶によって撞かれることがあるので、音色を聞くことができる場合もある。

鎌倉市 建長寺「鐘楼」国宝の梵鐘が吊られる

拝観情報

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内8
WEBサイト:https://www.kenchoji.com/
時間:8:30~16:30
料金:高校生以上¥500、小中学生¥200
アクセス:JR横須賀線「北鎌倉駅」徒歩約15分
アクセス/バス:JR「鎌倉駅」江ノ電バス「大船方面」行き「建長寺」下車
他の国宝:『蘭溪道隆像』『大覚禅師墨蹟(法語規則)』
※2点とも鎌倉国宝館に寄託中

建長寺のイベント

座禅
毎週金・土曜日の16:30~17:30に、方丈で座禅会を開催。
予約も参加費も不要だが、建長寺の参拝料は必要で遅刻厳禁。

写経
方丈で毎日10時~15時最終受付で、志納金¥1,000(別途入山料)
約60分の「般若心経」か、約20分の「延命十句観音経」から選ぶ

除夜の鐘
最初の18つは僧侶によって国宝の鐘が撞かれる。
その後は西来庵の鐘で、一般も参加可能。数の制限はない。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-417
【指定番号】00124
【指定】工芸品
【指定名称】梵鐘
【ふりがな】ぼんしょう
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代・建長7年(1255年)
【寸法・重量】総高207.2cm、竜頭42.7cm、笠形10cm、肩以下高154.5cm、口径124.5cm
【品質・形状】鋳銅製。笠形は低めで、上端は水平にし、この上に雄健な竜頭を据え、鐘身はやや裾広がりに造って高さに比して口径のやや大きく堂々たる感がある。上帯は雲文、下帯は唐草文を鋳出し、乳は円柱状の簡素な形のものを五段七列に配して駒の爪は三条の紐で表す。撞座と竜頭の関係は正式であるが、その中心の高さは高い。銘文は二区一縦帯に陽鋳する。
【ト書】建長寺鐘、建長七年二月廿一日、大檀那平時頼、住持宋沙門道隆題、大工大和権守物部重光在銘
【所在地】神奈川県鎌倉市山ノ内8
【国宝指定日】1953.11.14
【説明】平時頼を大檀那とし、銘文は蘭渓道隆、物部重光が鋳造したことが銘文から分かる。本大鐘は円覚寺の鐘と並んで鎌倉時代梵鐘の双璧をなすもので、円覚寺の純然たる鎌倉様式に比べて、古調に依っているところがある。物部重光は、鎌倉時代を中心に活躍した鋳物師の物部一族の最初に現れる鋳師である。本鐘より先、寛元三年に武蔵慈光寺の鐘を鋳ている。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

鑑賞ログ

2019年11月

伺った時に、ちょうど僧侶の方がスタンバイしておられ、少し待っていると仏殿・法堂あたりから聞こえてくる鐘の音と交互になるように、鐘を撞いておられました。

国宝『建長寺 梵鐘』鎌倉市

ついでにグルメ

野菜や豆腐、こんにゃくなどを煮込んで汁にする「けんちん汁」は、「建長寺汁(けんちょうじじる)」が訛ったものだともいわれます(諸説あり) 建長寺の駐車場のすぐ向かいにある蕎麦屋「五山 別館」は¥1,000前後で食事ができる気軽な店で、本店は建長寺と北鎌倉駅の間にあるようです。

鎌倉市 建長寺門前「五山」別館

名物「けんちん蕎麦・うどん」は¥1,000。 おそらく精進で魚のダシは使っていないので、カツオやアゴ出汁に慣れた人はうすく感じると思いますが、具がたくさん入っているので複雑で深い味です。 寒い日には温まって何よりのごちそうです。

鎌倉市 建長寺門前「五山」別館 けんちん蕎麦
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