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国宝-工芸|線刻釈迦三尊等鏡像[泉屋博古館/京都]

国宝DB-工芸

国宝『線刻釈迦三尊等鏡像』

直径15cmほどで、手のひらに乗るほどの大きさの白銅で作られた八稜鏡(8枚の花弁のような縁をもつ鏡)で、鏡面に諸仏が線刻で彫られている。 背面には瑞鳥・蝶・唐草などの浮彫の模様が細かく入っている。

諸尊は、中央の上2/3ほどに蓮華座に座る穏やかな表情の釈迦如来を、そのやや下左右には文殊菩薩騎獅子像と普賢菩薩騎象像を配している。 文殊・普賢の奥やや中央寄りには尊名不明の菩薩像が、手前左下部には毘沙門天と、右下部には不動明王と二童子が彫られる。 

泉屋博古館チラシより

この国宝の画像

泉屋博古館公式サイト > 収蔵品紹介 > 仏教美術

この国宝を観るには

京都の泉屋博古館内にある「青銅器館」で観られることもあるが、青銅器館は常時公開されていないので、公式サイトでスケジュールを確認すること。

館外での公開

2023/3/7~5/4 国立歴史民俗博物館「いにしえが、好きっ!」
2022/9/10~10/23 泉屋博古館 東京「古美術逍遙-東洋へのまなざし」
2022/4/12~5/22 京都国立博物館「最澄と天台宗のすべて

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-443
【指定番号】00149-00
【種別】工芸品
【指定名称】線刻釈迦三尊等鏡像
【ふりがな】せんこくしゃかさんぞんとうきょうぞう
【員数】1面
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】径15.1cm、縁厚1.2cm
【品質・形状】白銅製八稜鏡。鏡面中央上部に釈迦像を表し、その左右に普賢、文珠を、さらに釈迦像の左右に菩薩を、下方にやや大きく左に不動と二童子を、右に毘沙門天を配する。諸像は毛彫り。
釈迦像は連弁、敷茄子、華盤、反花をそなえた台座の上に坐し、連弁には宝相華文を付し、瓔珞を垂れる。光背は二重円光に宝相華文を刻み火焔をつける。
普賢像は合掌して白象の上の蓮華座に坐す。光背は二重円光。
文珠象は獅子の上の蓮華座に坐し、右手に剣、左手に梵篋(経箱)を安ずる蓮華を持つものと見られる。光背は二重円光。
不動明王は忿怒面で牙を出し、右手に剣、左手に羂索を握り、遍身火焔光を背にして岩座に立つ。左右には矜羯羅、制多迦の二童子が侍している。
毘沙門天は身に甲冑をまとい、左手に塔、右手に三叉戟を握り岩座に立つ。輪宝火焔光を背にしている。
上部の二菩薩は連弁、敷茄子、反花を具備した台座上に火焔付き二重円光を負って坐す。三尊の前には花を供え、散華が散る。
鏡背は、圏線で内外に分け、内区は花文座鈕を中心に旋転する瑞花と鴛鴦を交互に配し、外区は胡蝶と小鳥を置き、その間を唐草文でつなぐ。
【所有者】泉屋博古館
【国宝指定日】1954.03.20
【説明】大小九体の仏像を巧みに配し、精緻かつ流麗な線刻で表現している。鏡背の文様も鋳上がりよく、鏡像の中でも稀に見る優品である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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