古神宝類[鶴岡八幡宮/神奈川]

古神宝類[鶴岡八幡宮/神奈川]

鶴岡八幡宮のこと

平安中期の武士で河内源氏の2代目「源頼義」が、源氏の氏神である八幡社を勧請したことに始まる。 後に鎌倉幕府を開く源頼朝は、鎌倉に入ると由比ガ浜から現在地に八幡宮を遷し、開幕後は幕府の宗社として大規模な社殿が整えられる。 鎌倉幕府衰退後は一時荒廃するが、以後も武家の尊崇を集め、江戸時代には幕府の庇護を受け、社殿も復興される。 現在の本殿は、11代将軍の家斉が寄進したもの。

国宝『古神宝類』

鶴岡八幡宮に伝わる神宝で、女神用の衣装5領と、弓矢や刀などの武具類がある。 武具類は「新編相模風土記稿」に記載される、源頼義が勧請した際に石清水八幡宮の神宝を申し下したという品にあたると思われる。 弓矢は漆で仕上げられ、矢を入れる胡籙は、漆に金箔を蒔く沃懸地に螺鈿細工が施されている。

女物の衣装は神功皇后の御神服とされ、貴人の女性が自宅などで着た「袿(うちき・うちぎ)」が5領伝わる。 こちらも「新編相模風土記」に記載がみられ、後白河法皇が神功皇后にと調進したと書かれている。 織物の寿命は千年ほどと短く、平安期の衣装はほとんど現存しないため、時代の近い本品は資料としても貴重である。

鎌倉国宝館チラシより国宝「古神宝」
鎌倉国宝館チラシより国宝「古神宝」

国宝の内容

袿 白小葵地鳳凰文二重織
袿 紫地向鶴三盛丸文唐織
袿 紫地向鶴三盛丸文唐織
袿 淡香地幸菱文綾織
袿 黄地窠霰文二重織

朱漆弓  1張
黒漆矢(内篦一筋欠)30隻
沃懸地杏葉螺鈿平胡籙 1腰
沃懸地杏葉螺鈿太刀 1口
沃懸地杏葉螺鈿平胡籙 1腰
沃懸地杏葉螺鈿太刀(鐔欠)1口

この国宝を観るには

鶴岡八幡宮の境内にある「鎌倉国宝館」に寄託されているが、常設展示はしていない。 年に1度は古神宝が展示される企画展があるが、衣装の展示は多くない。 鶴岡八幡宮の本殿奥にある「宝物殿」では、レプリカが常時展示されている。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-477
【指定番号】00186-00
【種別】工芸品
【指定名称】古神宝類
【ふりがな】こしんぽうるい
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】鶴岡八幡宮
【国宝指定日】1956.06.28
【説明】これらの装束は、新編相模風土記の鶴岡八幡宮神宝の項に「衣互襲、後白河法皇神功皇后へ調進し給ひし物にて十に単と称す云々」の記事に該当するものとみられる。小葵文地、淡紫、淡縹色などで織表された鳳凰文の形状、簡素に表現された向鶴丸文の姿、鶴、松、花菱によって構成された大柄な幸菱文など、古雅な雰囲気を有した鎌倉時代の作である。鎌倉時代の完形を留める遺品はほとんど皆無という中で、本装束類が一括して遺されていることは非常に貴重である。

【台帳・管理ID】201-478
【指定番号】00187-00
【種別】工芸品
【指定名称】古神宝類
【ふりがな】こしんぽうるい
【時代・年】鎌倉時代
【所有者】鶴岡八幡宮
【国宝指定日】1956.06.28
【説明】本古神宝類は、社伝に源頼義が当社勧請の時、石清水の神宝であたのを申し下して奉納した(『新編相模風土記』)とある。  それぞれ少しずつ趣を異にする二揃えであり、製作年代も多少の前後があると考察されるが、春日大社若宮神宝類に次いで意匠共に優れた屈指の遺品である。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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