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国宝-工芸|当麻曼荼羅厨子[當麻寺/奈良]

国宝DB-工芸

国宝『当麻曼荼羅厨子』

當麻寺には、中将姫が一夜にして蓮の糸で織り上げたと伝わる国宝『綴織当麻曼荼羅』が伝わり、この厨子はその曼荼羅をかけるために設置された大型の厨子。 部材のいくつかに仁治3年(1242年)の銘が残るため、長く制作年とされていたが、それよりも古い技術や様式があるため、これは修理年の銘だと考えられる。

奈良時代末~平安時代初期頃に制作されたと考えられる木製の厨子は、曼荼羅にあわせ高さ5mにもなる大型のもので、黒漆塗に金銀泥で宝相華文や花鳥が描かれる。 當麻曼荼羅は中世期に板張りにされており、張り付けられていた土台の板は厨子の裏扉内にあり、曼荼羅図が薄くうつっていることから「裏板曼荼羅」と呼ばれている。 現在は取り外されている厨子の扉は、鎌倉時代の修理時に加えられたもので、奈良国立博物館に寄託されている。

この国宝を観るには

當麻寺の本堂(曼荼羅堂)に安置されているため、拝観時間内ならいつでも観ることができる。 

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-529
【指定番号】00233-00
【種別】工芸品
【指定名称】当麻曼荼羅厨子
【ふりがな】たいままんだらずし
【員数】1基
【国】日本
【時代・年】平安時代
【寸法・重量】厨子:総高5.01cm、身径3.98cm、身奥行1.33、下成基壇高 0.31cm、同基壇長径5.52cm、同基壇奥行1.90cm、上成基壇高朝0.21cm、屋蓋高0.34cm、屋蓋長径5.94cm、屋蓋奥行2.34cm
【品質・形状】本厨子は当麻曼荼羅堂内陣の寛元元年新造の螺鈿装須弥壇上に安置した木造漆塗長六角形の二重基壇、軸身、寄棟造屋蓋よりなる高大な厨子で、正面に絹本浄土曼荼羅図、背面に板絵浄土
【画賛・銘等】扉板、扉内格子、基壇格狭間、蝶番等厨子各部に修理紀年銘が記される。
【所有者】當麻寺
【国宝指定日】1961.04.27
【説明】従来この厨子は扉の銘文により、仁治三年(1242)の造立とみられていたが、二重基壇の格狭間の形状に古い様式が認められるほか、各部に金銀泥絵文様が描かれ、屋根軒板裏には金平脱技法による文様が発見され、柱金具の山水文様、上成基壇の框角金具の透彫文様などと併せてみても、平安時代をくだらない意匠技法共に優れた作である。また、裏板曼荼羅については、板面に貼り付けられた本紙が、延宝年間に再び剥離されたが、完全には離れず、板面上の諸所に綴れの断片を遺しており、これを厨子本尊として安置しているものである。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋

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