国宝『宝積経要品』
宝積経要品は、「ある人」が夢で得た「南無釈迦仏全身舎利(なむさかふつせむしむさり)」の各字を、1字ずつ頭にした和歌を詠むよう当時の有力者や高僧に依頼し、その短冊を継いで1帖にしたものの紙裏に「宝積経(大宝積経とも)」という全120巻の経典から抜粋して書写したもの。 現存する最古の短冊といわれる。
室町幕府初代の足利尊氏と、尊氏に次ぐ有力者として幕府の運営に関わったが後に対立して不遇の死を遂げる実弟の足利直義、尊氏直義兄弟が帰依していた禅僧の夢窓疎石の3名が書写したもの。 巻末に康永3年(1344年)に、高野山の金剛三昧院に寄進されたと書かれている。 夢窓疎石→足利尊氏→足利直義の順に書いている。
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この国宝を観るには
前田育徳会が所有するが、同団体は展示施設は持っておらず、石川県立美術館での特別展などに出展されるか、他館への貸出時にしか観られない。
公開履歴
2022/5/27~7/24 神奈川県立金沢文庫「兼好法師と徒然草」
2020/10/24~11/15 石川県立美術館「加賀藩の美術工芸1」
2019/7/13~9/1 九州国立博物館「室町将軍展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-658
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00124-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】宝積経要品〈足利尊氏、同直義/夢窓疎石合筆〉
【ふりがな】ほうしゃくきょうようほん
【員数】1帖
【時代・年】南北朝時代
【ト書】康永三年十月八日直義奥書/紙背短冊 百二十葉
【所有者】前田育徳会
【国宝指定日】1952.11.22