風土記のこと
奈良時代に入って間もない和銅6年(713年)に、元明天皇が各地の風土や文化を報告させる勅命を出し、律令制での国ごとに「〇〇風土記」が編纂された。 一部は欠けるが『播磨国風土記』と、このページ『肥前国風土記』の写本が国宝に指定されている。
国宝『肥前国風土記』
肥前国風土記は、現在の佐賀県と長崎県の一部にあたる「肥前」の風土記で、平安時代に書写された冊子1帖が残る。 「豊後国風土記」や他の九州地方の風土記残巻との共通性が多く、大宰府で編纂されたと考えられている。 日本書紀など、風土記よりも先に成立した資料の影響が多くみられる。
この風土記を所有する猪熊家は、香川県東かがわ市で日本武尊をまつる「白鳥神社」の初代宮司を務め、国学者も輩出した。 住宅は県の文化財に指定されているが非公開で、本国宝も現地では公開はされない。
この国宝を観るには
個人の所有のため機会は多くないが、博物館などへの出展で観られる場合がある。
公開履歴
2023/4/22~6/15 香川県立ミュージアム
2020/9/18~11/3 佐賀県立博物館「THIS IS SAGA」
2020/4/21~5/17 香川県立ミュージアム
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-728
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00214-00
【種別】書跡・典籍
【指定名称】肥前国風土記
【ふりがな】ひぜんのくにふどき
【員数】1帖
【時代・年】平安時代
【所有者】個人
【国宝指定日】1955.02.02