宇多天皇と仁和寺のこと
仁和寺は、光孝天皇が「西山御願寺」を発願し、崩御後に子の宇多天皇の治世である仁和4年(888年)に完成したので、元号から「仁和寺」となった。 皇位を皇子の醍醐天皇に譲った宇多法皇が入山し、以降も皇族が住職を務める門跡寺院として繁栄し「御室御所」とも呼ばれた。 現在は真言宗御室派の総本山で、華道の「御室流」の家元でもある。
応仁の乱で伽藍を焼失し一時荒れるが、三代将軍家光の頃に支援を受け伽藍が整った。 この時、京都御所は家光による「寛永の造営」をしており、その前の家康による「慶長の造営」の遺構をいくつか下賜されている。 境内に咲く背の低い「御室桜」が有名。
国宝『仁和寺御室御物実録』
宇多天皇が、承平元年(931年)に亡くなる数日前に、宝物類を仁和寺の宝蔵に納めた際の目録。 承平当時のものは紛失しており、天暦4年(950年)に未納の品々を加えて作成されたものが伝わる。 仏像や経典、法具などが記され、巻末にはこれらを管理する僧侶たちの署名も残る。
この国宝を観るには
東京の前田育徳会は展示施設は無く、石川県立美術館や国立博物館の特別展などで公開されることがある。
公開履歴
2022/10/8~11/6 京都国立博物館「京に生きる文化-茶の湯-」
2018/1/16~3/11 東京国立博物館「仁和寺と御室派のみほとけ」
2015/4/24~5/17 石川県立美術館「加賀前田家‐百万石の名宝」
2011/7/20~7/31 東京国立博物館「空海と密教美術」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-787
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00013-00
【種別】古文書
【指定名称】仁和寺御室御物実録
【ふりがな】にんなじおむろごもつじつろく
【員数】1巻
【時代・年】950年
【ト書】天暦四年十一月十日菅原文時等加判
【所有者】前田育徳会
【国宝指定日】1951.06.09