国宝『金銅小野毛人墓誌』
京都市のやや北(八瀬比叡山口と宝ケ池の間あたり)に崇道天皇を追贈された早良親王を祀る「崇道神社」があるが、江戸時代初期の1613年に神社の裏山にある墓が掘られ、石棺から銅製の墓誌が見つかった。 その時は元に戻されたが、大正時代に盗難防止のために取り出された。
墓誌は、幅は約6cm、長さは60cm弱ほどの銅でできており、文字を彫った後に金メッキがほどこされている。 表には「飛鳥浄御原宮治天下天皇御朝任太政官兼刑部大卿位大錦上 」、裏には「小野毛人朝臣之墓営造歳次丁丑年十二月上旬即葬」と刻まれている。
墓の被葬者である「小野毛人(おののえみし)」は遣隋使で有名な小野妹子の子で、この墓誌に刻まれた文字によって天武天皇の時に太政官と刑部大卿を兼ねて、「大錦上」という26位中7番目にあたる位を授かっていた人物だとわかる。 子には持統天皇らに仕えた小野毛野(おののけぬ)がいる。
この国宝を観るには
京都国立博物館に寄託されており、同館で展示されることがある。
公開履歴
2021/7/24~9/12 京都国立博物館「京の国宝」
2019/8/14~9/16 京都国立博物館「京博寄託の名宝展」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-860
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00027-00
【種別】考古資料
【指定名称】金銅小野毛人墓誌
【ふりがな】こんどうおののえみしぼし
【員数】1面
【国】日本
【時代・年】奈良時代(677年)
【ト書】丁丑年十二月上旬葬在銘/京都府京都市左京区上高野出土
【重文指定日】1914.08.25
【国宝指定日】1961.04.27