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国宝-彫刻|阿弥陀如来坐像(院覚作)[法金剛院/京都]

国宝DB-彫刻

法金剛院のこと

平安時代初期の公家で右大臣を務めた清原夏野の別荘があった地で、夏野の死後に寺にあらためられ「双丘寺」とし、後に文徳天皇の発願によって定額寺となり寺名が「天安寺」とされた。 平安時代末には、鳥羽天皇の中宮で崇徳天皇と後白河天皇の母である待賢門院の発願によって再興し、伽藍と浄土庭園が整えられた。 当時、西御堂・南御堂・東御堂にそれぞれ阿弥陀如来が安置され、庭には四季の花が整えられ、その見事さは待賢門院を思慕した西行も歌に詠んでいる。 現在も庭園には四季の花が咲くが、特に蓮の寺として有名で、7月前後には観蓮会で早朝の蓮を観ることができる。

国宝『阿弥陀如来坐像(院覚作)』

待賢門院によって整えられた3つの御堂のうち、西御堂の本尊だったと考えられる阿弥陀如来で、作者は宮中や高位貴族の仏像を多く手掛けた院覚(いんかく)と考えられている。 院覚は、定朝の営んだ七条仏所から独立して「七条大宮仏所」を営み院派の祖となる院助(いんじょ)の子または弟子といわれる。 阿弥陀如来は、丈六の座像(丈六は1丈6尺=約4.85mだが座像の場合は半分で作られる)で、像高は2.24m。 典型的な定朝様の阿弥陀如来像で、院政期らしく蓮弁や光背に華やかな彫刻が施されている。 

この国宝を観るには

法金剛院の収蔵庫「仏殿」に安置されている。 法金剛院は、2020年10月から毎月15日のみ拝観可能になっているが、これ以外に期間を定めて特別拝観されることがある。

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-3556
【指定番号】00140-0
【種別】彫刻
【指定名称】木造阿弥陀如来坐像<院覚作/>
【ふりがな】もくぞうあみだにょらいざぞう
【員数】1躯
【時代・年】平安時代
【作者】院覚
【所有者】法金剛院
【重文指定日】1901.08.02
【国宝指定日】2020.09.30

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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