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国宝-工芸|短刀 無銘貞宗(名物徳善院貞宗)[三井記念美術館/東京]

国宝DB-刀剣

相州貞宗のこと

貞宗は、相州(相模国=現在の神奈川)の刀工で、鎌倉時代末頃~南北朝時代に活躍した。 相州伝を代表する名工「正宗」の子(養子の説もある)で、彦四郎の名もあるが、銘の入る刀剣は現存しない。 正宗よりもややおとなしい作風で、徳善院貞宗の他に刀1口と短刀2口が国宝に指定されている。

国宝『短刀 無銘貞宗(名物徳善院貞宗)』

貞宗による無銘の短刀で、わずかに反りがあり、正宗のものよりも浅いのたれの刃文を持ち、表裏に三鈷剣・香箸・梵字が彫られる。 享保名物帳には「徳善院貞宗」と記され、これは前田玄以(徳善院)によるもの。 前田玄以は、本能寺の変の時に織田信忠の元におり、信忠の嫡男で信長の孫にあたる三法師丸を清州城に落ち延びさせたという。 前田玄以は秀吉からこの短刀を拝領し、その後は徳川将軍家、紀州徳川家、西条松平家に伝わった。

この国宝を観るには

三井記念美術館が所蔵するが、あまり公開されず、何年かおきに展覧会に出展される。

公開履歴

2023/5/16~6/11 三井記念美術館「どうする家康」
2020/11/21~2021/1/27 三井記念美術館「日向正宗と武将の美
2020/7/1~8/31 三井記念美術館「三井家が伝えた名品・優品」

文化財指定データ

【台帳・管理ID】201-357
【指定番号】00069-00
【指定名称】短刀〈無銘貞宗(名物徳善院貞宗)/〉
【ふりがな】たんとう〈むめいさだむね(めいぶつとくぜんいんさだむね)〉
【員数】1口
【時代・年】鎌倉時代
【作者】貞宗
【寸法・重量】身長35.5cm、反り0.6cm、元幅3.5cm、茎長9.4cm
【品質・形状】平造、三つ棟、身幅広く、寸延び、反りつく。鍛えは板目肌約り、地景交じり、地沸つき、湯走りかかり、表もの上は皆焼風となる。帽子は乱れ込み尖りて返り掃きかける。
【伝来・他】織田信忠、秀信、豊臣秀吉-前田玄以-前田茂勝-徳川家康-紀州徳川家-伊予西條松平家
【所在地】三井記念美術館
【国宝指定日】1952.11.22
【説明】相州貞宗の作で、同作短刀中特に刃文が華やかで、地刃の出来も優れ、かつ健全である。享保名物帳に所載する徳善院貞宗がこれで、もと前田徳善院の愛刀であったことから号がある。

出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
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