国宝『俊乗上人坐像』
俊乗坊重源上人(しゅんじょうぼうちょうげんしょうにん)は、平安時代末に東大寺が焼き討ちにあった後に伽藍を再興し、東大寺の中興の祖とされる。 「俊乗」「重源」それぞれに「上人」を付けた記載があるが、全て1人の人物である。 像が安置される「俊乗堂」は、東大寺の大仏殿から鐘楼に向かって坂を登った鐘楼の左手前にある堂で、元は重源の建てた浄土堂があった場所である。
86歳まで生きた重源上人の姿を忠実に写したといわれる木像は、重源と同時代に活躍した仏師「快慶」によるものだといわれる。 像は俊乗堂の中央に据えられた厨子に安置され、堂内には重源が生前に発願して快慶に作らせた重要文化財「阿弥陀如来立像(釘打の弥陀)」も安置されている。
この国宝を観るには
通常は非公開で、7/5の俊乗忌と12/16の良弁忌のみ中に入ることが出来る。 12/16は、『東大寺開山堂』で『良弁僧正坐像』が、『法華堂(三月堂)』で『執金剛神立像』のご開帳がある。
寺外での公開
2025/4/19~5/18 奈良国立博物館「超・国宝-祈りのかがやき-」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-169
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00008-00
【指定】彫刻
【指定名称】木造俊乗上人坐像(俊乗堂安置)
【ふりがな】もくぞうしゅんじょうしょうにんざぞう
【員数】1躯
【国・時代】日本・鎌倉時代
【所有者】東大寺
【国宝指定日】1951.06.09
ご朱印
俊乗堂が開扉される良弁忌に頂いた、限定ご朱印です。
鑑賞ログ
2017年12月
東大寺の鐘楼近くにあるお堂で、「春日若宮おん祭」の奈良滞在で偶然拝観できました。 同日に拝観した『開山堂』は年に一度12/16のみですが、こちらの俊乗堂は7/5にも拝観できるようです。
お堂の中は開山堂よりもかなり広く、50名ほどが入って僧侶の方の案内を聞いていました。 私が着いた頃に説明が終わったので次の説明を待っていたら、昼時なので次回は1時間後とのことでがっかり。 パンフレットを読んで観てまわりました。 像は「こういうおじいちゃんいるよね!」という写実的なもので、くぼんだ眼や筋の浮かんだ首筋など、とても印象的でした。