国宝『南大門』
聖武天皇の勅命で奈良時代に創建された東大寺には、創建当初に作られた南大門があったが、平安時代に台風で倒壊した。 現在の南大門は、鎌倉時代の重源上人による復興時に再建されたもので、運慶一門による国宝『金剛力士像』はこの門の南側左右に中心を向いて安置されている。
南大門は伽藍の入口にあたる部分で、この時代の寺院は本尊が南を向くように安置されているので、門は南に位置する。 寺院の山門としては日本最大で、18本の柱は長さ21mあり、門の高さは基壇上からでも25mを超える。
宋への留学経験のある重源によってもたらされた「大仏様(だいぶつよう)」という様式で建てられている。 大仏様は、水平方向の柱を何重にも重ねてそれを装飾のようにするのが特徴で、内部を広くとることができ大建築に向いており、天井を張らないので木材が組み合わさる様子を見ることが出来る。
南大門にある『金剛力士像』も国宝です
この国宝を観るには
大仏殿の正面に建っている『南大門』は、有料拝観エリアではないので24時間近づくことが出来る。 7月半ばから9月下旬は夜10時までライトアップされる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】102-2435
出典:国指定文化財等データベース一部抜
【指定番号】00016
【種別】近世以前/寺院
【指定名称】東大寺南大門
【ふりがな】とうだいじなんだいもん
【員数】1棟
【時代・年】正治元年(1199年)
【構造・形式】五間三戸二重門、入母屋造、本瓦葺
【所有者】東大寺
【重文指定日】1897.12.28
【国宝指定日】1951.06.09
鑑賞ログ
2019年1月
南大門は何度も観ていますが、どうしても仁王様に気を取られて門自体はあまりしっかり観ていなかったなと反省。 最近覚えた「大仏様」の特徴がよく出ていてなるほどと思いました。