国宝『人物画像鏡』
古墳時代(5~6世紀頃)に、中国製の鏡を母鏡として日本で作られた、約20cmの小型の銅鏡で、隅田八幡神社の社宝であった。 銘文が彫られており、天皇の古い呼称である「大王」があり、この呼称が使われる最古級のもの。 銘文の「癸未年」は、383年・443年・503年のいずれかだと考えられる。
背面の中心部には人物(神仙)や騎馬像が陽刻されているが、母鏡とみられるいくつかの中国製の銅鏡と比べると、画像が反転している。 外周部に48文字の銘文が彫られているが、母鏡が時計回りなのに対して、逆の反時計回りになっている。
【銘文】
癸未年八月日十大王年男弟王在意柴沙加宮時斯麻念長寿遣開中費直穢人今州利二人等取白上同二百旱作此竟
万葉仮名のように、当時の日本語の発音を漢字で表わしていると考えられ、「意柴沙加宮」は「おしさかのみや=忍坂宮」などと考えられるが、場所や人物の比定には諸説があり、一致していない。 また文字自体の比定にも諸説がある。
この国宝を観るには
東京国立博物館に寄託されており、1年のうち半分近くは考古展示室で展示される。
展示状況は、今月のカレンダー で
東京国立博物館以外での公開
2023/6/27~12/10 東京国立博物館 平成館 考古展示室
2021/10/16~11/23 和歌山県立博物館「きのくにの名宝」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-834
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00002-00
【種別】考古資料
【指定名称】人物画象鏡
【ふりがな】じんぶつがぞうきょう
【国】日本
【時代・年】古墳時代
【ト書】癸未年八月在銘
【所在地】東京国立博物館
【所有者】隅田八幡神社
【国宝指定日】1951.06.09