国宝『銅像釈迦如来・両脇侍像』
国宝『法隆寺 金堂』の中尊で、飛鳥時代の渡来系仏師「鞍作止利」によって作られた金銅仏。 光背の裏には、聖徳太子の発病から薨去にあたって、病気平癒と成道を願い、太子の等身で止利によって作られたことなどが刻まれている。
釈迦如来の一般的な印相である「与願施無畏印(よがんせむいいん)」を結び、図様化された衣が台座に装飾的にかかる「裳懸座(もかけざ)」の上に坐す。 面長の顔でアーモンド形の眼、口元はアルカイックスマイルと呼ばれる微笑をたたえ、大陸の影響が強いエキゾチックな姿をしている。
脇侍は、ペルシア風の模様の入った宝冠をかぶった立像で、寺伝によると「薬王・薬上菩薩」という。 7つの化仏が彫られる中尊の光背は大型で、頭部に小型の光背が付く脇侍にもかかっている。
鞍作止利のこと
鞍作止利(くらつくりのとり)は鞍作鳥とも書かれ、祖父の司馬達等の代に渡来した司馬一族として生まれる。 日本で最初の仏師となり、北魏の流れを汲みながら洗練されたスタイルは「止利様式」と呼ばれる。 現存する作品は本作の他に、飛鳥寺の釈迦如来「通称:飛鳥大仏」があるが、後補が多いといわれる。
この国宝を観るには
法隆寺の金堂に安置されているので、拝観時間内はいつでも拝観できる。
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-181
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00020-00
【種別】彫刻
【指定名称】銅造釈迦如来及両脇侍像〈止利作/(金堂安置)〉
【ふりがな】どうぞうしゃかにょらいおよびりょうきょうじぞう
【員数】3躯
【国】日本
【時代・年】飛鳥時代、癸未年(623年)
【作者】止利
【ト書】光背裏面に癸未年敬造の銘がある
【所在地】法隆寺
【国宝指定日】1951.06.09