国宝『金銅密教法具』
鎌倉時代に作られた、密教の儀式で使用する法具5点で、銅製で表面を金メッキで覆う「金銅」で作られている。 法具として国宝に指定されるのは、東寺に伝わる空海が唐から請来した密教法具の2件のみ。
四つ葉型の盆に脚の付いた「盤」の上中央に、柄付きの鈴「五鈷鈴」を置き、その周りを囲むように、古代インドの手に持つ武具が発展した「独鈷杵」「三鈷杵」「五鈷杵」が置かれる。 法具類の表面には、梵字や宝相華(唐草と花をアレンジした模様)などの装飾がされている。
国宝指定の内容
金剛盤 1口
五鈷鈴 1口
独鈷杵 1口
三鈷杵 1口
五鈷杵 1口
この国宝を観るには
厳島神社の宝物収蔵庫では公開されず、博物館などでの展覧会にまれに出展されることがある。
公開履歴
2023/4/22~6/4 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
2021/7/24~8/22 京都国立博物館「京の国宝」
2020/12/8~2021/1/11 奈良国立博物館「珠玉の仏教美術」
文化財指定データ
【台帳・管理ID】201-471
出典:国指定文化財等データベース一部抜粋
【指定番号】00180-00
【種別】工芸品
【指定名称】金銅密教法具
【ふりがな】こんどうみっきょうほうぐ
【員数】1具
【国】日本
【時代・年】鎌倉時代
【寸法・重量】
金剛盤:盤径縦21.8cm、横28.6cm、総高6.2cm、盤高3.4cm、縁厚0.8cm、胎厚0.3cm、脚高3.5cm
五鈷鈴:総高20.9cm、鈴口径8.9cm
独鈷杵:総長18.5
三鈷杵:総長18.8
五鈷杵:総長19.4
【品質・形状】(金剛盤)
鋳銅鍍金。盤は形式通行の四葉形で、胎は薄く縁は細く高く二箇所に鋭い猪目を透かし、盤上中央には鈴座を装し、盤下には獣脚三脚を設ける。
【所有者】厳島神社
【国宝指定日】1955.06.22
【説明】三種の杵と五鈷鈴、金剛版の皆具。当初の一具と見られ、その形姿は温雅優麗の中にも鋭く、繊細ながらも技巧に流れず、鎌倉時代の製作にかかる和様密教法具の最高峰をなす貴重な遺品。