川端康成と美のコレクション
日本人初のノーベル文学賞を受賞し「文豪」と呼ばれる川端康成は、美術品のコレクターとしても有名で、土偶からピカソや草間彌生まで多岐にわたるコレクションを残しました。
今回の展覧会では、国宝2点を含むコレクションや旧蔵品と、親交のあった東山魁夷による書籍の装丁や、夏目漱石や谷崎純一郎など交流のあった作家ゆかりの品、川端康成の愛用品なども展示されるようです。
川端と古美術
土偶や埴輪から、池大雅や尾形光琳など江戸絵画まで、日本や東洋の古美術コレクションが展示されます。
川端文学と装丁画
川端康成の書籍は、親交のあった画家たちの絵画が装丁になっているものがいくつかあります。 東山魁夷による「古都」や、小林古径による「千羽鶴」の原画が展示されるようです。
川端と近現代工芸
北大路魯山人や、人間国宝の黒田辰秋など、近代・現代の作家による工芸品が集められています。 チラシの写真だと、華やかな作品が多いようです。
川端と近現代絵画
装丁にも使われている東山魁夷など正統派の日本画だけでなく、熊谷守一から草間彌生まで、幅が広くて驚きます。
川端と西洋美術
この展覧会チラシの表紙には、ロダンの「女の手」を肘をついて眺める川端康成の写真が使われています。 この作品は、仕事机に置いて眺めていたんだそうです。
文豪・川端康成
作家としての川端康成を追う展示です。 ノーベル賞の賞状や直筆原稿から、作品のモデルになった人物の写真など、文学館の展示のようですね。
文豪たちの息づかい
川端康成と交流のあった多くの作家達の、揮毫や往復書簡など。 スマホもメールもない時代だからこその、文豪たちの直筆です。
川端の見つめた伝統
川端康成のノーベル文学賞記念公演は「美しい日本の私」というテーマでした。 その中に出てくる良寛の詞や源氏物語などが集められます。
川端コレクションと播磨
今回の展覧会が開かれた姫路は「播磨国」ですが、川端康成と播磨の土地にゆかりのある人物たちの紹介です。
文豪が愛した空間
展示期間がかなり限られる国宝『凍雲篩雪図』や渡辺崋山の「孔雀図」など、川端康成が愛でた絵画や、文具類などの愛用品が展示されます。
この展覧会で観られる国宝
凍雲篩雪図 浦上玉堂筆
9/14~9/16・10/29~11/4(この期間以外は複製を展示)
江戸時代の京都で活躍した文人画家「浦上玉堂」によるダイナミックに雪山の情景を描いた水墨画です。 浦上玉堂の作品は、この1点が国宝、その他10点余りが重要文化財に指定されています。
十便十宜図 池大雅・与謝蕪村筆
中国の「李漁」の詩「十便十二宜詩」を、池大雅と与謝蕪村が絵画化したものです。 池大雅の「十便図」は暮らしの便利さを、与謝蕪村の「十宜図(十二宜のうち)」は10の宜い(良い)ことを、描いています。
川端康成は、家を買うはずだったお金で「十便十宜図」を購入したというエピソードはとても有名です。
展覧会 概要
期間:2019/9/14~11/4
休日:月曜日(祝日は開館し、翌火曜が休館)
時間:10:00~17:00(入館は30分前まで)
料金:大人¥1,400、大高生¥600、小中生¥300
公式サイト:https://www.city.himeji.lg.jp/art/