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情報|MOA美術館「仁清 金と銀」2019/11/1~12/8[静岡]

情報-博物館・美術館

野々村仁清のこと

陶工の「野々村仁清(ののむらにんせい)」は、京都丹波「野々村」(=現在の京都府美山町)出身の清右衛門という名で、各地で陶芸の修行を積みました。 京都に戻ると、一帯が御室(おむろ)と呼ばれる京都仁和寺門前に「御室窯(おむろがま)」を開き、後に仁和寺のから「仁」を使うことを許されたといいます。

仁清作「波に三日月文茶碗」東京国立博物館

仁の字に、名前の頭文字「清」を組み合わせて「仁清」と名乗り、自身の作品に署名をするようになります。 これは、それまで無名の職人だった陶工が、アーティストになった転機だと言えます。

仁清作 色絵月梅図茶壷 東京国立博物館

轆轤(ろくろ)の繊細な造形を得意として、そこに華やかで優美な色絵付けをし、当時の宮廷や茶人などのサロン文化の中で人気を得ていきます。 色絵付けの京焼の他にも、雉香炉や法螺貝香炉のような象形的な作品や、釉を使わない焼物なども独特の繊細さで評価が高いです。 MOA美術館の『色絵藤花文茶壺』と、石川県立美術館の『色絵雉香炉』が国宝に指定されています。

仁清作 建水 東京国立博物館

仁清 金と銀

MOA美術館のリニューアル3周年記念は、同館の代表的なコレクション、国宝『色絵藤花文茶壺』の作者「仁清」をテーマにした企画展です。 国宝1件と重要文化財14件が含まれ、仁清作品を中心とした大変華やかな企画展です。

MOA美術館「仁清 金と銀」チラシより

第1章 宗和好みと仁清のかたち

室町時代に総合芸術化した「茶の湯」は、戦国時代から江戸初期にかけて「さび」が重要とされます。 その後江戸時代に入って寛永の頃になると、琳派に代表されるような王朝文化が復興します。 その頃に活躍した茶人「金森宗和」は仁清を気に入り、多くの茶陶を作らせ茶席で使用したので、公家や大名に仁清が広まるきっかけにもなったようです。 このコーナーでは「宗和好み」と言われる作品が並びます。

第2章 金、銀、色柄への展開

仁清と聞いて、まず思い浮かべるのは華やかな色絵付けです。 初期には、金・青・赤・水色などの限られた色だったのが、銀・黒・緑なども使われるようになり、より華やかなものになっていったそうです。 色絵の抹茶椀や、香炉・香合などが観られます。

MOA美術館「仁清 金と銀」チラシより

第3章 絵画・工芸意匠と仁清-京極家の茶壷を中心に-

国宝『色絵藤花文茶壺』は、浅井三姉妹の次女「初」の嫁ぎ先だった京極家に伝来したものです。 今は各館に分蔵されていますが、一連の作品だったようです。 仁清作品のほか、共通する図柄の工芸品なども並ぶようです。

MOA美術館「仁清 金と銀」チラシより

この展覧会で観られる国宝

色絵藤花文茶壺

MOA美術館「仁清 金と銀」チラシより

展覧会 概要

期間:2019/11/1~12/8
休日:木曜日
時間:9:30~16:30(入館は30分前まで)
料金:一般¥1,600、高大生¥1,000、中学生以下無料
公式サイト:http://www.moaart.or.jp/

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