情報|松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ~和泉市久保惣記念美術館の名品」2019/10/5~11/24

情報|松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ~和泉市久保惣記念美術館の名品」2019/10/5~11/24

和泉市久保惣記念美術館のこと

明治期から綿業で財をなした「久保惣(久保惣株式会社)」の創業一家である久保家が、数代にわたって収集した美術品のコレクションをベースに、久保家が土地建物や基金も寄付してできた美術館です。 2点の国宝をはじめ数多くの重要文化財を含む1万点以上のコレクションを所蔵しています。

松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」チラシ

日本・東洋 美のたからばこ~和泉市久保惣記念美術館の名品

久保惣記念美術館は、国宝2点と重要文化財29点の合計31点を所蔵していますが、その中から25点を含む90点が展示されるということです。 久保惣コレクションが、これだけの規模で、他館で公開されるのは37年ぶりということで、見逃せない展覧会です。

松濤美術館「日本・東洋 美のたからばこ」チラシより

中世絵画の名品

平安~室町の日本で描かれた絵画で、水墨画や経巻の見返し絵を中心に展示されます。

重文「布袋図」 周徳筆 ※後期

絵巻の名品

3代目の久保惣太郎氏が絵巻を好んで集められたそうで、久保惣記念美術館は数多くの絵巻を所蔵しています。

重文「駒競行幸絵巻」※前期
重文「伊勢物語絵巻」※前期

近世絵画の名品

江戸絵画を中心に、前期には久保惣コレクションを代表する宮本武蔵筆「枯木鳴鵙図」が観られます。

重文「枯木鳴鵙図」宮本武蔵筆 ※前期
重文「源氏物語手鑑 野分」土佐光吉筆 ※前期

浮世絵版画の名品

久保家の5代目で、現在も名誉館長をつとめておられる久保恒彦氏がコレクションされた、6,000点もの浮世絵から出展されます。

「当時三美人」喜多川歌麿 ※前期

中国絵画の名品

点数は3点と少なめですが、伝来が確かな中国絵画の名品が出展されます。

重文「十王経図巻」※前期

工芸の名品

今回のチラシにも大きく使われている、国宝の花入「万声」は、室町時代にはすでに名品として名高く、徳川将軍家の所有になりましたが、家光が姉の東福門院に贈ったという名品です。 他にも陶磁器や漆器の名品が出展されます。

国宝『青磁 鳳凰耳花生 銘 万声』 ※通期
重文「唐津 茶碗 銘三宝」

書の名品

平安時代の古筆から、禅僧による墨蹟まで、国宝・重文を含む名品が観られます。

国宝『歌仙歌合』 ※通期
重文「貫之集下 断簡・石山切」藤原定信筆 ※前期

展覧会 概要

期間:2019/10/5~11/24
休日:毎月曜(祝日は開館し、翌火曜が休館)
時間:10:00~18:00(金は~20:00)入館は30分前まで
料金:大人¥1,000、大学生¥800、高校生・シニア¥500、小中生¥100
公式サイト:https://shoto-museum.jp/

鑑賞ログ 2019年10月

今回は、国宝2点と工芸品は通期での展示ですが、それ以外の書画類は前後期で全て入れ替わります。 松濤美術館がそれほど大きくないこともありますが、1万点以上を誇る久保惣コレクションはさすがですね。

まずは1回、前期の終了間際に滑り込みます。 絵画のコレクションは幅広いラインナップで、装飾経~禅画~扇面図~絵巻~琳派と、美術の教科書のようです。 いくつか連作の扇面図と、駒競行幸絵巻が気に入りました。 後期には2点の大津絵と伝宗達の源氏物語絵が出るみたいで、それもちょっと楽しみ。 

浮世絵は第4次・第6次のコレクションだそうで、写楽・春信・北斎・広重・歌麿と、教科書的なダイジェストが楽しめます。

第二会場は工芸と書ですが、圧倒的に茶道具が多いです。 この時代の財界人は、みなさん茶の湯を嗜まれますもんね。 こちらでの一番のお気に入りは仁清の香合で、真ん中で開く筒状に椿の色絵なんですが、色味が華やかなのにスッキリしていて素晴らしい。 もちろん国宝の花入『万声』も素晴らしく立派でした。 思ったよりマットで、薄青緑の色味が何とも言えないですね。

最後の小さな1室は書の部屋で、京博の三十六歌仙展に出ていた、西本願寺所蔵の国宝『三十六人集』の断簡がありました。 継紙にやわらかな仮名文字が美しいです。 もう1点の国宝『歌仙歌合』は、藤田美術館所蔵の国宝『深窓秘抄』のような飛雲の料紙で、青と紫の繊維を所々に漉き込んでいて、控えめだけど華やかなものなんです。 上下2段に分かれて和歌が書かれていましたが、これは珍しいのではないでしょうか。 後期も楽しみです。

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